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木工機械を買取に出したいが、売る前に何を確かめればよいか分からない。まず機種ごとに、労働安全衛生法第42条の譲渡制限の対象かを確かめ、対象の機種は装置と表示を現物で確認します。

木工機械の買取前に確認する譲渡制限の対象機種、装置と表示、作業主任者の選任が必要になる台数の基準を解説します。

木工機械で法第42条の譲渡制限の対象に載る機種を、機種ごとに確かめる

労働安全衛生法(以下「法」)第42条が定めるのは、対象の機械等を、厚生労働大臣が定める規格または安全装置を具備していなければ、譲渡・貸与・設置してはならないという制限です(2026年10月時点の現行は第1項)。

条文の「譲渡し」に、有償・無償の区別は書かれていません。

木工機械の機種そのものを知りたい方は、「木工旋盤とは?選び方からおすすめ機種・バイトの種類まで初心者向けに解説」をご覧ください。

丸のこ盤は、法別表第二第十号に掲げられている

丸のこ盤(円形の刃を回して木材を切る機械)のうち、木材加工用丸のこ盤と、その反ぱつ予防装置(加工中の木材が跳ね返る危険を防ぐ装置)・歯の接触予防装置(刃に手が触れるのを防ぐ装置)は、法別表第二の第十号に掲げられています。労働安全衛生法施行令(以下「施行令」)第13条第3項の列挙には、丸のこ盤の語がありません。

手押しかんな盤は、施行令第13条第3項第3号に掲げられている

手押しかんな盤(手で押した木材を回転する刃で平らに削る機械)と、その刃の接触予防装置(刃に手が触れるのを防ぐ装置)の根拠は、施行令第13条第3項第3号です。

帯のこ盤・面取り盤・ルーターは法第42条の対象に載っていないが、法第43条は木工機械全般に当てはまりうる

帯のこ盤(帯状の刃の切断機)・面取り盤(角を削る機械)・ルーター(溝や縁を削る機械)は、法第42条の対象に載っていません。

法第43条は、防護措置のない動力駆動の機械等が対象で、木工機械全般に当てはまることがあります。帯のこ盤の覆いなどは、使う事業者に課す労働安全衛生規則の義務で、譲渡制限とは別です。

一般論は、「中古機械の買取と直接売買の違い|売却先の選び方と注意点を解説」で確認できます。

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第42条第1項・別表第二第十号(譲渡等の制限・木材加工用丸のこ盤)

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」第13条第3項第3号(手押しかんな盤)

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第43条(防護措置のない機械等の譲渡等の制限)

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第25条・第124条〜第127条(防護措置・帯のこ盤と面取り盤の使用上の義務)

売る前に、丸のこ盤と手押しかんな盤は装置と表示を確かめ、経過措置の基準日を知っておく

構造規格(法第42条が求める「厚生労働大臣が定める規格」)には、現に存する機械の一部を適用除外とする経過措置があります。

厚生労働科学研究費の報告書(個人執筆の見解で、行政解釈ではありません)は、経過措置の対象になる機械等について、「新規格等が適用されない古い機械等が合法的に使用され、流通することがあるが、もちろんそれによる労働災害のリスクが存在する」と解説しています。

メーカー・型番などの機械情報の整理は、「工作機械の買取前に整理する機械情報・搬出の資格・輸出の許可義務を解説」をご覧ください。

構造規格が求める装置と表示を、機種ごとに現物で確かめる

構造規格は、丸のこ盤に反ぱつ予防装置・歯の接触予防装置・ブレーキと、製造者名・製造年月・定格出力などの表示を求めています。

手押しかんな盤は、刃の接触予防装置・ブレーキ・かんな胴を固定する装置を備え、製造者名・製造年月・有効切削幅などを表示する規格です。

装置が付いているか、表示が読めるかは、現物で確かめます。

ただし、これらの装置には条文上の例外があり、FAQのQ5で挙げています。

昭和47年10月1日に現に存していた機械は、一部の規格が適用されない

条文が適用を分ける基準は、昭和47年10月1日において現に存する機械かどうかです。

この日に現に存していた丸のこ盤は、ブレーキ・丸のこ軸の固定装置・表示などが、手押しかんな盤はブレーキ・かんな胴の固定装置・表示が適用除外です。

出典:厚生労働省「木材加工用丸のこ盤並びにその反ぱつ予防装置及び歯の接触予防装置の構造規格(昭和47年9月30日労働省告示第86号)」(第4条・第5条・第7条・第31条第1項・附則第1項・第2項)

出典:厚生労働省「手押しかんな盤及びその刃の接触予防装置の構造規格(昭和47年9月30日労働省告示第87号)」(第4条・第6条・第7条・第15条第1項・附則第2項)

出典:厚生労働科学研究費補助金 分担研究報告書 森山誠也「労働安全衛生法第42条から第44条の2の逐条解説」(PDF73ページ:1.9.8 既存不適合機械等)

木工機械の売却で保有台数が変わるときは、木材加工用機械作業主任者の選任の要否を確かめる

作業主任者の選任が必要になるのは、対象の機種を台数の基準以上持つ事業場

木材加工用機械作業主任者(機械による作業を直接指揮し、安全装置を点検する人)は、施行令第6条第6号の機種を5台以上(自動送材車式帯のこ盤を含む場合は3台以上)有する事業場で、その機械による作業を行うとき、事業者が選任しなければなりません。

対象は丸のこ盤・帯のこ盤・かんな盤・面取り盤・ルーターで、携帯用は除きます。施行令第6条は、2026年10月時点のe-Govに載る予定版でも同一です。

売却後の台数で選任の要否が変わりうるため、売る前に事業場ごとの台数を数え直す

条件は「有する事業場」のため、売却で保有台数が基準を下回れば、選任の対象外になる場合があります。複数の事業場にまたがる台数の数え方は、条文に書かれていません。

売る前に、事業場ごとの機種別の台数を数え直し、施行令第6条第6号に当てはめて確かめてください。

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」第6条第6号(木材加工用機械作業主任者の選任を要する作業)

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第129条・第130条(木材加工用機械作業主任者の選任・職務)

木工機械を含む遊休資産を企業間で直接売買できるシェアリングファクトリー

シェアリングファクトリーは、工作機械など遊休資産の企業間直接売買サービスです(2026年10月時点)。

商品一覧のメインカテゴリ「樹脂・木材加工機」の下に、サブカテゴリ「木工機械」があります。会員登録料・会員費・出品手数料は無料で、成約時に売買手数料がかかります。

出品の登録先は、サイト内の出品画面です。

なお、本記事の掲載先は、シェアリングファクトリーが運営するメディアです。

中古機械の売買でお困りの際は、シェアリングファクトリーへお気軽にお問い合わせください。

出典:シェアリングファクトリー「はじめてガイド」(遊休資産売買とは・料金について・どうやって売るの?)

出典:シェアリングファクトリー 売買サイト「樹脂・木材加工機/木工機械」(商品一覧のパンくず・カテゴリ表示)

出典:シェアリングファクトリー サービス紹介サイト(ページ下部の著作権表示・コーポレートサイトへのリンク)

木工機械の買取についてよくある質問

Q1. 法第42条に違反して譲渡すると、どのような罰則がありますか?

法第42条に違反した場合の罰則は、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です

(法第119条第1号)。法第43条の違反も同じ号の対象です。

従業者が法人の業務に関して違反したときは、行為者のほか法人にも罰金刑が科されます(法第122条)。

Q2. 2027年に法第42条が改正されると、売る側の決まりは変わりますか?

2026年10月時点の法第42条は第1項のみで、2027年4月1日に第2項と第3項が加わります。

第2項は事業者が労働者に使用させることの禁止、第3項は個人事業者や作業従事役員等が、労働者と同一の場所で自ら使用する場合の禁止です。第1項の譲渡等の制限は変わりません。

Q3. 丸のこ盤の歯の接触予防装置のうち「可動式」のものには、型式検定がありますか?

丸のこ盤の歯の接触予防装置のうち可動式のものは、型式検定(装置の型式ごとに受ける検定)の対象です。

法第44条の2第1項は、型式検定を受ける者として、製造し、又は輸入した者を挙げています。検定合格の表示が付いていないものは、使用してはなりません(同条第7項)。

固定式は対象外です。

Q4. 携帯用の丸のこ盤や手押しかんな盤は、法第42条の対象から除かれますか?

法別表第二と施行令第13条には、携帯用のものを除く旨の規定は書かれていません。

構造規格には携帯用の定めがあり、手押しかんな盤の刃の接触予防装置は携帯用を除き(告示第87号第4条)、丸のこ盤には携帯用の歯の接触予防装置の規定があります(告示第86号第30条)。

携帯用を売るときは、構造規格の条文に当てはめて確かめてください。

Q5. 丸のこ盤や手押しかんな盤で、反ぱつ予防装置・歯の接触予防装置・ブレーキが不要とされる場合はありますか?

反ぱつ予防装置は横切用丸のこ盤など反ぱつの危険がないものが、歯の接触予防装置は製材用丸のこ盤と自動送り装置を有する丸のこ盤が、条文で除かれています。

ブレーキは、動力を切って10秒以内に回転が止まるものなどが除かれ、手押しかんな盤にも同じ10秒以内の基準があります。ほかの例外は、構造規格の条文で確かめてください。

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第119条第1号・第122条(罰則・両罰規定)

出典:厚生労働省 基発0514第1号「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律について」(第1 Ⅰ 2(3)・Ⅶ 附則 1 施行期日)

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第44条の2第1項・第7項・別表第四第七号(型式検定)

出典:厚生労働省「木材加工用丸のこ盤並びにその反ぱつ予防装置及び歯の接触予防装置の構造規格(昭和47年9月30日労働省告示第86号)」(第4条・第5条・第7条ただし書・第30条:例外と携帯用の規定)

出典:厚生労働省「手押しかんな盤及びその刃の接触予防装置の構造規格(昭和47年9月30日労働省告示第87号)」(第4条・第6条ただし書:携帯用の規定とブレーキの例外)

まとめ:木工機械の譲渡制限は法第42条と第43条で分かれ、売る前に機種ごとの装置と台数を確かめよう

本記事で取り上げた5機種のうち、法第42条の譲渡制限の対象に載るのは丸のこ盤と手押しかんな盤で、帯のこ盤・面取り盤・ルーターは載っていません。

ただし法第43条は、動力で駆動される機械等のうち防護措置のないものに当てはまり、木工機械全般に及ぶ場合があります。

確認する点は、丸のこ盤と手押しかんな盤の装置と表示、基準日による場合分け、保有台数が変わるときの作業主任者の選任の要否です。

まずは手持ちの木工機械の機種と台数を書き出し、条文に当てはめて確かめましょう。

中古機械の売買をご検討の方は、お気軽にご相談ください。