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工作機械の買取を頼む前に、何を準備し、何に気をつければよいか迷うことがあります。

準備するのは機種区分から精度の記録までの機械情報で、確認するのは搬出の資格の区分と、輸出する場合に許可の義務を負う者です。

本記事では、日工会とJISの区分に沿った情報の整理、玉掛け・移動式クレーン・フォークリフトの資格の区分、外為法の規制の仕組みを解説します。

工作機械の買取を依頼する前に、機械の情報を整理する

売却先の違い、見積もり前の確認項目、売却の流れ、古物商許可、税、補助金は、「中古機械の買取と直接売買の違い|売却先の選び方と注意点を解説」の記事が詳しいです。

代表的な機種の仕組みを知る入口は、「NC旋盤とは?仕組み・種類・メリットを初心者向けにわかりやすく解説」と「マシニングセンターとは?種類・構造・価格をわかりやすく解説」の記事です。

機種区分は、日工会の汎用工作機械とNC工作機械の区別で整理する

機種区分は、旋盤やマシニングセンタといった機種名で書き出します。日工会は、工作機械をハンドル操作などで動かす「汎用工作機械」と、数値制御で自動運転する「NC工作機械」に大きく分けられるとしています。

JIS B 0105:2012の定義では、数値制御工作機械とは、工具と工作物との相対運動を位置、速度などの数値情報によって制御し、加工に関わる一連の動作をプログラムした指令によって実行する工作機械です。

メーカー・型式・年式を書き出す

メーカー名、型式、年式の3項目を機械ごとに書き出します。手元の機械が汎用工作機械かNC工作機械かは、前項の区別に当てはめて記録します。

精度の測定記録があれば、規格名とあわせて書き出す

精度の記録が手元にあれば、規格名も添えて書き出す項目です。

マシニングセンタの幾何精度の試験条件はJIS B 6336-1(水平主軸をもつ機械)、数値制御旋盤の幾何精度の試験条件はJIS B 6331-1(水平主軸をもつ普通精度の機械)です。

JIS B 6190-2は、機上で各運動軸を独立に直接測定する場合の位置決め精度の試験方法を規定し、複数の運動軸を同時に制御する試験には適用されません。

出典:日本工作機械工業会「工作機械とは」(汎用工作機械とNC工作機械の区分)

出典:日本産業標準調査会(JISC)JIS検索「JIS B 0105:2012 工作機械―名称に関する用語」(規格詳細から「規格の閲覧」を開き、用語01200 数値制御工作機械)

出典:日本規格協会 JSA Webdesk「JIS B 6336-1:2018 マシニングセンタ―試験条件―第1部:水平主軸をもつ機械の幾何精度(水平Z軸)」

出典:日本規格協会 JSA Webdesk「JIS B 6331-1:2022 数値制御旋盤及びターニングセンタ―試験条件―第1部:水平主軸をもつ機械の幾何精度」

出典:日本規格協会 JSA Webdesk「JIS B 6190-2:2016 工作機械試験方法通則―第2部:数値制御による位置決め精度試験」

従業員が玉掛け・移動式クレーン・フォークリフトで機械を搬出する場合は、作業ごとに必要な資格が分かれる

前提は、工場の設備を売り手が自社の従業員で搬出する場合です。条文の義務主体は事業者であり、事業者が労働者をその業務に就かせる場合を定めています。

条文の区分は、クレーンのつり上げ荷重とフォークリフトの最大荷重です。

玉掛けは、つり上げ荷重の区分で技能講習と特別教育に分かれる

つり上げ荷重が1トン以上のクレーン、移動式クレーン、デリックの玉掛けは、玉掛け技能講習の修了者などでなければ就かせてはなりません。つり上げ荷重が1トン未満の玉掛けは、特別教育の対象です。

移動式クレーンの運転は、つり上げ荷重の区分で免許・技能講習・特別教育に分かれる

つり上げ荷重が1トン以上の移動式クレーンは、移動式クレーン運転士免許が原則です。1トン以上5トン未満の小型移動式クレーンは、小型移動式クレーン運転技能講習の修了者も、その業務に就かせられます。

1トン未満は特別教育の対象です。いずれも、道路上を走行させる運転は対象から除かれます。

フォークリフトの運転は、最大荷重の区分で技能講習と特別教育に分かれる

最大荷重とは、フォークリフトの構造と材料に応じて、基準荷重中心に負荷させられる最大の荷重です。

最大荷重が1トン以上のフォークリフトの運転は、フォークリフト運転技能講習の修了者などでなければ就かせてはなりません。

1トン未満は特別教育の対象です。道路上を走行させる運転は対象から除かれます。

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第61条第1項(就業制限)

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」第20条第7号・第11号・第16号(就業制限に係る業務)

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第36条第5号・第16号・第19号(特別教育を要する業務)、第41条・別表第三(就業制限に係る資格)

出典:e-Gov法令検索「クレーン等安全規則」第68条・第221条(就業制限)

買い手が海外へ輸出する場合、許可の義務は輸出する者にある

前提は、機械を買った側が海外へ輸出する場合です。許可の義務を負う者と、工作機械に関わる2つの規制を、条文の範囲で整理します。

輸出の許可義務は、輸出をしようとする者にある

外為法48条1項は、国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める特定の地域を仕向地とする特定の種類の貨物を、輸出しようとする者に、経済産業大臣の許可を求める規定です。

数値制御工作機械は、仕様に当てはまるとリスト規制の対象になる

輸出令別表第一の2の項(12)1は核兵器の開発又は製造に用いられる工作機械のうち数値制御を行うことができるもの、6の項(2)は数値制御を行うことができる工作機械を掲げ、仕様は貨物等省令が定めています。

仕様に当てはまるものがリスト規制の対象で、仕向地は全地域です。

リスト規制は原則として毎年改正されるため、確認先は最新の規制リストです。

リスト規制に当てはまらない場合も、キャッチオール規制がある

リスト規制に当てはまらない貨物でも、別表第一16の項のキャッチオール規制には、金属加工用のマシニングセンター、旋盤、金属用のボール盤やフライス盤、研削盤などが列挙されています。

用途や需要者によっては、許可が必要になる場合があります。

出典:e-Gov法令検索「外国為替及び外国貿易法」第48条第1項(輸出の許可)

出典:e-Gov法令検索「輸出貿易管理令」第1条第1項・別表第一(二の項(十二)1・六の項(二)・一六の項(一))

出典:e-Gov法令検索「輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令」第1条第14号・第5条第2号(工作機械の仕様)

出典:経済産業省委託事業「安全保障貿易管理の概要(初級編)」令和8年度(PDF16ページ:リスト規制とキャッチオール規制/20ページ:リスト規制の注意点/22ページ:大量破壊兵器等キャッチオール規制の要件)

遊休設備を、企業間で直接売買できるシェアリングファクトリー

シェアリングファクトリーは、工作機械など遊休資産の企業間直接売買サービスです(2026年10月時点)。

壊れた設備や機器も出品できます(2026年10月時点)。ただし、全ての廃棄物と、補助金などで目的外の利用制限があるものは、利用規約で出品が禁止されています。

中古機械の売買でお困りの際は、シェアリングファクトリーへお気軽にお問い合わせください。

出典:シェアリングファクトリー「はじめてガイド」(遊休資産売買とは)

出典:シェアリングファクトリー「よくあるご質問」出品について>壊れている設備・機器でも登録できますか?

出典:シェアリングファクトリー株式会社「利用規約」第8条(商品の出品)第2項(12)・(19)

工作機械の買取についてよくある質問

Q1. 工作機械の中古の価格は、日工会の受注統計から分かりますか?

日工会の2026年8月分の受注速報の表は、受注総額・内需・外需で、中古の項目は載っていません

(2026年10月時点)。

Q2. 工作機械には、プレス機械や木工機械も含まれますか?

日工会がJISの定義として引くのは、主として金属の工作物を切削や研削などで所要の形状に作り上げる機械です。

日工会は、海外ではより広義に解釈し、プレス(鍛圧)機械や木工機械も工作機械に含めるのが一般的と説明しています。

Q3. 輸出管理のリスト規制は、新品か中古かで変わりますか?

リスト規制の仕様を定める輸出令別表第一の2の項(12)1・6の項(2)と貨物等省令の該当条文に、新品と中古で分ける文言は見当たりません。

一方、日工会の案内では、2025年5月28日の通達改正により、国内で使用していた製造後20年以内の工作機械を実測後に非該当として輸出する場合は、製造者による測定結果の確認が必要になりました。

Q4. 輸出される工作機械の該非判定は、誰が行いますか?

経産省の資料は、法の責任は基本的には輸出者が負うとしています。

該非判定の確認の中身は、輸出令の品目に該当するかと、貨物等省令の仕様と合致するかです。

他社から購入した貨物を輸出する場合は、メーカー等から該非判定書を入手し、輸出者が自社で改めて確認することが必要とされています。

Q5. マシニングセンタは、JISでどのように定義されていますか?

JIS B 0105:2012は、マシニングセンタを、主として回転工具を使い、フライス削り・中ぐり・穴あけ・ねじ立てを含む複数の切削加工ができ、加工プログラムに従って工具を自動交換できる数値制御工作機械と定義しています。

出典:日本工作機械工業会「統計情報」受注速報 2026年8月分(PDF1ページ:受注総額・内需・外需の表)

出典:日本工作機械工業会「工作機械とは」(工作機械の定義と海外での範囲)

出典:日本工作機械工業会「製造後20年以内の中古工作機械を「非該当」で輸出する際の日工会所属企業による測定結果の確認方法及び確認資料についてのご案内」(PDF1ページ、2025年5月)

出典:e-Gov法令検索「輸出貿易管理令」別表第一 二の項(十二)1・六の項(二)(数値制御を行うことができる工作機械)

出典:経済産業省委託事業「安全保障貿易管理の概要(初級編)」令和8年度(PDF40ページ:5-2.該非判定/43ページ:5-5.該非判定書について)

出典:日本産業標準調査会(JISC)JIS検索「JIS B 0105:2012 工作機械―名称に関する用語」(規格詳細から「規格の閲覧」を開き、用語07300 マシニングセンタ)

まとめ:搬出の資格は作業ごとに分かれ、輸出の許可義務は輸出する者にある

工作機械の買取前に整理する3点は、機械情報、搬出に必要な資格、輸出の許可義務を負う者です。機械情報の書き出し順は、機種区分、メーカー、型式、年式、精度の測定記録です。

搬出の資格は、条文上、クレーンのつり上げ荷重とフォークリフトの最大荷重で区分されます。まずは機械の情報を書き出し、搬出に使う機材の荷重と輸出の予定を確かめましょう。

中古機械の売買をご検討の方は、お気軽にご相談ください。