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牧野フライス盤という通称で検索される株式会社牧野フライス製作所は、マシニングセンタ(工具を自動交換して複数の加工を1台で行う工作機械)とNC放電加工機(電気の放電で金属を削る加工機)を主力とする老舗の工作機械メーカーです。フライス盤の専業として創業しながら、現在は事業内容を大きく広げています。本記事では会社概要・沿革・主要な製品ラインナップから、中古で導入する際に確認したいポイントまでまとめて解説します。

牧野フライス盤(牧野フライス製作所)とはどんな会社か|会社概要・沿革

牧野フライス製作所の会社概要インフォグラフィック。工作機械業界大手の総合メーカーとして、創業(フライス盤専業メーカーとして発足)、本社・国内工場(東京本社と国内複数拠点で生産)、主力製品(マシニングセンタと放電加工機)、グローバル展開(世界各国に生産・販売拠点)の4項目を紹介。右側にマシニングセンタの製品写真を掲載

「牧野フライス盤」という通称で検索されることが多いですが、正式社名は株式会社牧野フライス製作所(英文社名 Makino Milling Machine Co., Ltd.)です。証券コード6135で東京証券取引所プライム市場に上場する、工作機械業界の大手メーカーとして知られています。まずは基本情報から確認していきましょう。

同社は1958年に日本最初のNCフライス盤を開発するなど、NC制御の工作機械分野でも古くから実績を重ねてきました。NC制御の基礎を知りたい方は「NCフライス盤とは?種類・使い方・マシニングセンタとの違いをわかりやすく解説」も参考にしてください。

なお、同社を巡っては2025年から2026年にかけて資本異動の動きがありました。2025年5月8日にニデックによる敵対的TOBが撤回され、続く2025年6月3日にはMM Holdings合同会社がTOBを提案しましたが、2026年4月22日に財務大臣・経済産業大臣が外国為替及び外国貿易法に基づき中止を勧告し、2026年4月30日にMM Holdingsが取得を断念しています。

2026年7月時点で同社は東京証券取引所プライム市場への上場を維持していますが、資本を巡る状況は流動的なため、最新の情報は各社のIR・適時開示でご確認ください。

出典:MONOist「投資ファンドのTOBに牧野フ賛同」

出典:日本M&Aセンター「MMHDによる牧野フライス製作所へのTOB中止」

 

会社概要

項目

内容

 

商号

株式会社牧野フライス製作所

英文社名

Makino Milling Machine Co., Ltd.

創業

1937年5月

代表者

取締役社長 宮崎正太郎

資本金

21,142百万円(2026年3月期)

連結売上高

261,184百万円(2026年3月期)

連結従業員数

4,777名(2026年3月期)

本社・国内工場

本社:東京/国内工場:厚木(神奈川)、富士勝山(山梨)

証券コード・上場市場

6135/東京証券取引所プライム市場(2026年7月時点)

出典:会社概要|Makino

沿革にみる歩み|フライス盤専業からマシニングセンタ・放電加工機メーカーへ

牧野フライス製作所は1937年5月、牧野常造が一番立フライス盤の専門メーカー「牧野商店製作部」として創業しました。1958年に日本最初のNCフライス盤を開発し、1961年に現社名へ改称しています。1966年にはマシニングセンタの国産第一号機を開発し、1975年からは放電加工機の開発・生産・販売にも参入しました。フライス盤から出発し、マシニングセンタと放電加工機へ軸足を移した経緯です。

出典:沿革|Makino

牧野フライス盤の社名は「フライス」だが、現行の主力製品はマシニングセンタ・放電加工機

牧野フライス製作所の事業内容の変遷を示すビフォーアフター図。創業当時は立フライス盤専業メーカー、現在はマシニングセンタ・放電加工機が主力製品であることを矢印で対比表示。右側にマシニングセンタと放電加工機の製品写真を掲載

公式サイトの製品ナビゲーションには今も「フライス盤」という表記が残っていますが、実際の事業内容の筆頭に挙がるのはマシニングセンタとNC放電加工機です。フライス加工そのものについて基礎から知りたい方は「フライス加工とは?種類・工具・機械・外注依頼のポイントまで解説」をあわせてご覧ください。

なぜ社名に「フライス」と付くのか

社名に「フライス」が付くのは、1937年の創業事業が牧野常造による一番立フライス盤の専門メーカーだったことに由来します。その後1942年に「牧野竪フライス製作所」、1961年に現在の「株式会社牧野フライス製作所」へと商号を変えました。創業から現在まで社名は変わっていませんが、事業内容は大きく広がっています。

現在の主力はマシニングセンタとNC放電加工機

牧野フライス製作所の事業内容は、公式に「マシニングセンタ・NC放電加工機/NCフライス盤・フライス盤・レーザ加工機/CAD/CAMシステム・FMS等の製造・販売・輸出」と定められています。事業内容の筆頭に挙がるのはマシニングセンタと放電加工機で、フライス盤は現行ラインに残るものの主力ではなく、社名の由来となった社史上のルーツという位置づけです。

出典:会社概要|Makino

牧野フライス製作所の主要製品ラインナップ|マシニングセンタ・放電加工機

製品ラインナップ:4カテゴリで見る主力製品。横形マシニングセンタ(多面加工・大型ワークに対応)、立形マシニングセンタ(精密な金型加工に強み)、5軸マシニングセンタ(同時5軸の複雑形状加工)、放電加工機(微細形状をミクロン単位で加工)の4種類を紹介。右側に各製品機の写真を並べて掲載

牧野フライス製作所の製品は、大きく分けて横形マシニングセンタ・立形マシニングセンタ・5軸制御立形マシニングセンタ・放電加工機の4カテゴリで構成されています。マシニングセンタの基礎知識は「マシニングセンターとは?種類・構造・価格をわかりやすく解説」、横形機種の詳細は「横型マシニングセンタとは|縦型との違い・種類・主要メーカー・中古選びまで解説」で解説していますので、あわせてご覧ください。

横形マシニングセンタ(a40〜a120nx・J3〜J6など)

横形マシニングセンタの主力シリーズはa40/a51nx/a61nx/a71nx/a81nx/a91nx/a92/a120nx、そしてJ3〜J6シリーズです。横形マシニングセンタは主軸(工具を取り付けて回転させる軸)が水平に配置される構造で、多面加工や大型ワークの加工に向いている点が特徴です。型式ごとに主軸径や加工範囲が異なるため、導入時は型式を必ず確認しましょう。

立形マシニングセンタ・5軸制御立形マシニングセンタ(V33i/V99/V99L、D200Zなど)

立形マシニングセンタの主力シリーズはV33i/V99/V99L/L2/V300です。中でもV99は「機械が発する熱歪みを最小限に抑え、ミクロンオーダーの中・大物金型加工に最適」と位置づけられており、精密な金型加工の現場で採用されています。5軸制御立形マシニングセンタのD200Zは30,000回転主軸を搭載し、同時5軸加工に対応する機種です。

出典:製品一覧|Makino

出典:立形マシニングセンタ|Makino

出典:5軸制御立形マシニングセンタ D200Z|Makino

放電加工機(ワイヤ放電・NC形彫り放電)

ワイヤ放電加工機のシリーズはUPN/UP/U/UPX(UPX600)です。NC形彫り放電加工機はEDAC/EDAF/EDGEi/EDNCの4シリーズで展開されています。ワイヤ放電加工機は細線ワイヤを使った微細加工(ミクロン単位の精密な形状加工)に強みを持ち、金型製作や試作部品の加工などに使われています。

出典:ワイヤ放電加工機|Makino

出典:NC放電加工機|Makino

牧野フライス製作所の技術的な強み|高精度・微細加工・自動化

技術的な強み:高精度・微細加工・自動化。工作機械選定で押さえたい3つの強みとして、熱変位対策(高精度加工を長時間維持)、微細加工技術(特許技術で複雑形状に対応)、自動化対応(無人運転・省人化に貢献)を紹介。右側に工作機械の主軸とドリル部分のクローズアップ写真を掲載

工作機械を選ぶ際は、加工精度・微細加工への対応力・自動化への適合度が重要な判断材料です。牧野フライス製作所は「クオリティ・ファースト」を経営方針に掲げ、こうした要素において公式に強みを打ち出しています。ここで整理するのは、選定時の判断基準となる精度・微細加工・自動化の3点です。

熱変位対策や高精度加工の考え方は、フライス加工・ミーリング加工の基礎とも密接に関わります。加工条件や工具選定の基本を知りたい方は「ミーリング加工とは?種類・工具・切削条件と機械選びを解説」もあわせてご覧ください。

熱変位対策による高精度加工

立形マシニングセンタのV99は「機械が発する熱歪みを最小限に抑え、ミクロンオーダーの中・大物金型加工に最適」と公式に位置づけられています。熱変位(機械が発する熱による微小な歪み)を抑える設計は、長時間の連続加工でも精度を維持するうえで重要な技術です。金型加工のように高い寸法精度が欠かせない現場で採用が進んでいます。

出典:立形マシニングセンタ|Makino

ワイヤ放電加工の特許技術と微細加工分野への強み

牧野フライス製作所のワイヤ放電加工機は、140以上の特許技術を持つことが公式に紹介されています。複雑な形状の加工でも、加工時間の短縮となめらかな仕上げ面の両立を狙った設計です。さらに細穴放電加工機やグラファイト加工機など、金型・微細加工分野向けの専用ラインも保有しています。

出典:ワイヤ放電加工機|Makino

中古で牧野フライス製作所の工作機械を導入するには

 

中古機選びチェックリスト:導入前に確認したい4つのポイント。型式確認(加工範囲・主軸仕様を確認)、年式・稼働時間(使用状況の目安を把握)、付属品(治具・工具の有無を確認)、サポート体制(部品供給の継続性を確認)を紹介。右側に使用感のあるマシニングセンタの写真を掲載

中古工作機械として牧野フライス製作所の製品を検討する場合、新品にはない価格面のメリットがある一方で、確認しておきたいポイントもあります。ここでは選定時に押さえておきたい実務的な視点を整理します。

中古機を選ぶ際に確認したいポイント

中古機を選ぶ際は、型式・年式・稼働時間・付属品の有無をまず確認しましょう。同じシリーズでも型式によって加工範囲や主軸仕様が異なるため、用途に合っているかの見極めが欠かせません。加えて、メーカーのサポート体制や部品供給が今後も継続するかどうかも、長く使い続けるうえで確認しておきたい項目です。

中古機の価格を左右する要因

牧野フライス製作所固有の中古相場統計は公表されていません。中古価格は、機種・型式・年式・稼働時間・オーバーホール歴・付属装置の有無によって大きく変動するため、金額を一律には示せません。実際の相場は、個別の見積もりや出品情報で確認するのが確実です。

 

牧野フライス製作所製の工作機械探しはシェアリングファクトリーへ

シェアリングファクトリーでは、牧野フライス製作所製をはじめとする各種工作機械の売買・レンタルを取り扱っています。型式・年式・稼働時間・付属品の有無を事前に確認したうえでご紹介するので、中古機ならではの不安点も相談しながら進められるのが強みです。 売却・購入のどちらのご相談も歓迎します。

工作機械の売買・導入でお困りの際は、シェアリングファクトリーへお気軽にお問い合わせください。

牧野フライス製作所についてよくある質問

Q1. 牧野フライス製作所とはどんな会社ですか?

株式会社牧野フライス製作所は、1937年5月創業の工作機械メーカーです。創業事業は一番立フライス盤の専門メーカーとしてスタートし、現在はマシニングセンタとNC放電加工機を中心とする製品ラインナップを展開しています。

Q2. 社名に「フライス」とありますが、現在は何を作っている会社ですか?

現在の主力製品はマシニングセンタとNC放電加工機です。公式の事業内容にも「マシニングセンタ・NC放電加工機」が筆頭に挙げられており、フライス盤は社名の由来となった創業時の事業として現行ラインに残っています

Q3. 牧野フライス製作所の代表的な製品シリーズを教えてください。

横形マシニングセンタはa40〜a120nx、J3〜J6、立形マシニングセンタはV33i/V99/V99Lなど、5軸制御立形マシニングセンタはD200Zです。放電加工機ではワイヤ放電のUP・UPXシリーズ、NC形彫り放電のEDAC・EDGEiシリーズなどを展開しています。

Q4. 牧野フライス製作所と牧野フライス精機株式会社は同じ会社ですか?

牧野フライス精機株式会社は、株式会社牧野フライス製作所とは別の会社です。所在地や公式サイト、製品分野が異なります。両社の資本関係・沿革上の関係は、いずれの公式サイトにも明示されていないため、ここでは断定を避けます。

Q5. 中古の牧野フライス製作所製の工作機械は入手できますか?

入手は可能ですが、型式・年式・稼働時間・付属品の有無を必ず確認しましょう。牧野フライス製作所固有の中古相場統計は公表されていないため、一般的な立形マシニングセンタの相場帯を目安にしつつ、個別の見積もりで最新の状況を確認することが欠かせません。

まとめ:牧野フライス製作所の強みを理解して自社に合った一台を選ぼう

牧野フライス盤という通称で親しまれる株式会社牧野フライス製作所は、フライス盤専業からマシニングセンタ・NC放電加工機の総合メーカーへと歩みを広げてきました。

会社概要や沿革、横形・立形・5軸のマシニングセンタや放電加工機の製品体系を押さえておけば、中古機を選ぶ際も型式やサポート体制まで見極めやすくなります。

工作機械の導入・売却を検討する際は、ぜひお気軽にご相談ください。