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ミーリング加工について「フライス加工と何が違うのか」「どんな工具や機械を使えばいいか」と悩んでいませんか。

この記事では、ミーリング加工の基礎から加工の種類・工具の選び方・切削条件の計算方法・よくあるトラブルの対策まで、製造現場で役立つ実務情報を一通りお伝えします。中古ミーリング機の購入ポイントも解説しているので、機械導入を検討している方にも参考になる内容です。

ミーリング加工とは

ミーリング加工についての図解

ミーリング加工とは、回転する切削工具(フライス)でワーク(被削材)を削る加工方法の総称です。

工具を回転させながらワークを送ることで、平面・側面・溝・曲面などいろいろな形状を削り出せます。「フライス加工」と同義で使われることが多く、現場では混在して使われています。

ミーリング加工の定義・原理と、旋削加工など他の加工方法との違いを整理します。

ミーリング加工の定義と原理

ミーリング加工の基本原理は、主軸(スピンドル)に取り付けた工具が高速回転し、切れ刃がワーク表面を少しずつ削り取ることにあります。

工具1回転中に複数の切れ刃が断続的に切削加工を行うため、切削力が周期的に変化するのが特徴です。

この断続切削という性質が、後述するビビり振動の原因ともなります。

切削中に生じる切りくずは、工具の回転方向と刃溝の形状によって外部へ排出されます。

切削油剤(クーラント)を適切に使うと、工具寿命の延伸と加工精度の維持に効果的です。

 

出典:切削加工の基礎知識|キーエンス

https://www.keyence.co.jp/

ミーリング加工・フライス加工・旋削加工の違い

「ミーリング」と「フライス加工」はほぼ同義ですが、「旋削加工(旋盤加工)」とは工具とワークの動きが根本的に異なります。

旋削加工ではワーク自体が回転し、固定された工具で切削します。

一方、ミーリング加工では工具が回転し、固定またはテーブル上で動くワークを加工するのが基本的な違いです。

以下の比較表で3つの加工方法を整理しました。加工対象の形状に応じて最適な方法を選ぶ際の参考にしてください。

比較項目

ミーリング(フライス)加工

旋削(旋盤)加工

 

回転するもの

工具(フライス・エンドミル等)

ワーク(被削材)

主な加工形状

平面・側面・溝・曲面・輪郭

円筒面・テーパ・端面

代表的な機械

フライス盤・マシニングセンタ

NC旋盤・旋盤

切削の性質

断続切削(周期的な衝撃あり)

連続切削(衝撃少ない)

 

ミーリング加工の種類

ミーリング加工の種類について

ミーリング加工の種類とは、工具の当たり方や加工面の方向によって分類される加工方式の区分です。

主な種類は「正面フライス加工・平面フライス加工」「側面フライス加工・溝加工」「エンドミル加工」の3つに大別されます。

正面フライス加工・平面フライス加工

正面フライス加工は、工具の底面(端面)の切れ刃でワーク上面を削る方法で、平面を広く均一に仕上げる際によく使われます。

工具の軸がワーク面に対して垂直になるよう設定し、大径の正面フライスで一度に広い平面を加工できます。

1パスで削れる面積が広く、加工工程の効率化に有効です。

平面フライス加工は、工具の外周刃でワーク面を削る方法を指します。

表面の平面度・平行度を要求される場合に使われ、精度の高い仕上げが求められる場面で活躍します。

 

出典:切削加工ガイド|三菱マテリアル

https://www.mmc-carbide.com/jp/technical_information/

 

側面フライス加工・溝加工

側面フライス加工は、工具の外周刃でワークの側面を削る方法で、垂直な壁面や段差の加工に使われます。

溝加工(スロット加工)では、工具をワークに押し込んで溝を掘ります。

T字型のTスロット加工やキー溝加工など、機械部品の嵌め合い部分を仕上げる場面で欠かせない加工です。

側面の切削は工具に横方向の力がかかるため、工具の剛性と突き出し長の管理が品質に直結します。

エンドミルの突き出し長は工具直径の3倍以内を目安にすると、ビビりを抑えやすくなります。

エンドミル加工(平面・側面・曲面・輪郭)

エンドミルは端面と外周の両方に切れ刃を持つ工具で、平面・側面・曲面・輪郭など多彩な加工に対応できます。

エンドミルは1本の工具で多機能な加工をこなせるため、マシニングセンタに装着して使う最も一般的な切削工具といえます。代表的なエンドミルの種類と用途は以下の通りです。

エンドミルの種類

主な用途

特徴

 

フラットエンドミル

平面・側面・溝加工

汎用性が高く最も広く使われる

ボールエンドミル

曲面・三次元輪郭加工

先端がR形状で金型・曲面に最適

ラジアスエンドミル

曲面・コーナーR仕上げ

フラットとボールの中間的特性

ラフィングエンドミル

荒削り(高能率切削)

切りくずを細かく分断し切削抵抗を低減

工程の前半(荒削り)はラフィング、後半(仕上げ)はフラットやボールと使い分けると効率が上がります。

 

出典:エンドミル選定ガイド|OSG株式会社

https://www.osg.co.jp/

ミーリング加工で使う工具の種類と選び方

ミーリング加工で使う工具とは、エンドミル・正面フライス・スクエアショルダーミルなど、主軸に取り付けてワークを切削する回転工具の総称です。

加工内容に合った工具と工具保持具(ホルダ)を選ぶことが、高精度・長寿命につながります。

エンドミルの種類と用途別の選び方

エンドミルを選ぶ際の基本軸は「素材」「加工形状」「要求精度」の3つです。

素材ごとに適した刃材種が異なり、一般鋼にはコバルトハイス(HSS-Co)や超硬合金(TiAlNコーティング)、アルミニウムにはDLCまたは無コーティングの超硬が向いています。

刃数の選び方も重要なポイントです。

2〜3枚刃は切りくずの排出スペースが広くアルミや樹脂の加工に向いており、4枚刃以上は剛性が高く鋼材の高精度加工に適しています。

要求精度が高い仕上げ加工では、振れ精度10μm以内のプレシジョン品を選ぶと加工面の品質が安定します。

※1

出典:工具選定ガイド|京セラ株式会社

https://www.kyocera.co.jp/

正面フライス・スクエアショルダーミルの特徴

広い平面を高能率で削りたいときは、エンドミルよりも正面フライス(フェイスミル)またはスクエアショルダーミルの方が効率的です。

正面フライスは直径50〜250mm程度の大径工具で、インサート(交換式の切れ刃チップ)を複数枚装着しています。

1パスで広い面積を一度に切削できるため、ベース面や取り付け面の加工工程でよく使われます。

スクエアショルダーミルは正面フライスと外周刃を兼ね備えた工具で、平面と側面を同時に仕上げられます。

刃先交換式のため切削工具のコストを抑えやすく、量産現場で多く採用されています。

エンドミルとの使い分け基準は「加工面積」で、直径の5倍以上の広さを削るなら正面フライス系、複雑形状や小径加工はエンドミルが適しています。

ミーリングチャック(工具保持具)の役割と種類

工具保持の精度が加工精度に直結するため、ミーリングチャック(ホルダ)選びは工具選びと同じくらい大切です。

主なシャンク規格として「BTシャンク(7/24テーパ)」と「HSKシャンク(中空テーパ)」があります。

BTシャンクは汎用性が高く国内でも広く普及していますが、高速・高精度な加工ではHSKシャンクの方が振れ精度・剛性ともに優れています。

チャックの種類別の特徴は以下の通りです。

チャックの種類

把持方式

特徴・用途

 

コレットチャック

コレット(スリーブ)による均一把持

振れ精度に優れ、精密加工向き

ミーリングチャック(サイドロック)

横方向のネジで締める

把持力が強く、荒削りや重切削向き

焼きばめチャック

熱膨張を利用した完全密着把持

振れ精度5μm以下を実現、高速加工向き

ハイドロチャック

油圧による均一把持

静粛性と振れ精度を両立

振れ精度が大きいと工具の刃先が均等に切削せず、摩耗が偏って工具寿命が短くなります。

精度要求が高い仕上げ工程では、焼きばめチャックまたはハイドロチャックの採用を検討してください。

 

出典:工具保持具の選び方|BIG DAISHOWA

https://www.big-daishowa.co.jp/

ミーリング加工に使う工作機械の種類と選び方

ミーリング加工に使う工作機械とは、汎用フライス盤・NCフライス盤・マシニングセンタ(MC)など、フライス工具を回転させて切削加工を行う機械の総称です。

機種によって加工できる形状・自動化の度合い・導入コストが大きく異なるため、加工目的に合った選定が重要です。

汎用フライス盤・NCフライス盤・マシニングセンタの違い

3機種の最大の違いは「自動化レベル」と「加工の反復精度」です。

加工内容・生産量・予算に合った機種を選ぶために、まず3機種の位置づけを整理しておきましょう。

機種

自動化レベル

主な用途

価格帯目安(2026年5月時点)

 

汎用フライス盤

手動操作

単品・試作・修理加工

中古:50万〜300万円程度

NCフライス盤

数値制御(2〜3軸)

中ロット・単純形状の繰り返し加工

中古:100万〜500万円程度

マシニングセンタ

CNC制御+自動工具交換(ATC)

多品種・複雑形状・量産

中古:200万〜1,500万円程度

※上記は参考価格帯です。機種・メーカー・年式・程度により大きく異なります。最新の市場価格は販売業者にご確認ください。

汎用フライス盤は試作品や単品加工に向いています。

一方、同じ形状を繰り返す量産工程ではNCフライス盤やマシニングセンタの方が精度と効率を両立しやすいです。

 

出典:工作機械統計年報|日本工作機械工業会

https://www.jmtba.or.jp/

5軸マシニングセンタが活きる加工形状

5軸マシニングセンタは、3軸では対応できない「複雑な立体形状」を一度のセッティングで仕上げられる点が最大の強みです。

5軸制御とは、X・Y・Z の直進3軸に加えて2つの回転軸(A軸・B軸またはC軸)を同時制御することを指します。

工具をワークの法線方向に傾けながら加工できるため、金型のキャビティ・タービンブレード・人工骨などの複雑曲面を高精度に仕上げられます。

主な適用分野は自動車(エンジン部品・トランスミッションケース)、航空宇宙(タービンブレード・構造部品)、医療(人工関節・インプラント)です。

段取り替えの回数を減らせるため、工程集約によるリードタイム短縮にも貢献します。

ミーリング機能付きNC旋盤(ターニングセンタ)との違い

「ターニングセンタ(複合加工機)」は旋削加工とミーリング加工を1台で行える機械で、旋削が主体の部品にも後加工でフライス加工が必要なケースに向いています。

ターニングセンタのミーリング機能は、主軸を割り出し停止(C軸制御)しながら、ミーリングユニットで穴あけ・溝加工・平面加工ができます。

別工程でマシニングセンタに移す手間がなくなり、加工精度の維持と工数削減を同時に実現できるのが利点です。

一方で、純粋なミーリング加工(大面積の平面削り・複雑な3次元曲面)はマシニングセンタの方が剛性・自由度ともに優れています。

「旋削主体の部品に追加のミーリングが必要」な場合はターニングセンタが向いています。

「ミーリング主体で多軸加工を行いたい」場合はマシニングセンタが適しています。

 

出典:複合加工機の概要|DMG森精機

https://jp.dmgmori.com/

ミーリング加工の切削条件と計算方法

ミーリング加工の切削条件と計算方法についての図解

切削条件とは、回転数・送り速度・切り込み量など、ミーリング加工時に設定する数値パラメータの総称です。

切削条件の設定は加工品質とコストに直結するため、基本の計算式を理解して自分の加工に応用できるようにしておくことが大切です。

回転数・送り速度・切り込み量の基本計算

切削条件の基本は「回転数(n)」「送り速度(Vf)」「切り込み量(ap・ae)」の3つを適切に設定することです。

回転数(n)の計算式:

“`

n(rpm)= (1000 × Vc) / (π × D)

Vc:推奨切削速度(m/min) D:工具直径(mm)

“`

例:直径10mmのエンドミルで切削速度100m/minの場合

→ n = (1000 × 100) / (3.14 × 10) ≒ 3,185 rpm

送り速度(Vf)の計算式:

“`

Vf(mm/min)= fz × z × n

fz:1刃あたりの送り量(mm/刃) z:刃数 n:回転数(rpm)

“`

例:fz = 0.05mm/刃、4枚刃、3,185 rpmの場合

→ Vf = 0.05 × 4 × 3,185 ≒ 637 mm/min

高速・高送りの条件設定は加工効率の向上につながりますが、工具の剛性や工作機械の主軸出力と合わせてバランスを取ることが大切です。

 

出典:切削条件の計算方法|サンドビック コロマント

https://www.sandvik.coromant.com/ja-jp/

素材別の切削条件の目安

素材が変わると切削速度・送り量の目安が大きく変わるため、加工素材に合った初期値から条件を設定することが大切です。

以下は一般的なエンドミル加工での目安値です(2026年5月時点。工具メーカー・コーティング種・機械剛性によって異なります)。

素材

切削速度 Vc(m/min)目安

送り量 fz(mm/刃)目安

備考

 

炭素鋼(S45Cなど)

80〜150

0.03〜0.08

汎用コーティング(TiAlN)が適

アルミニウム合金

200〜600

0.05〜0.15

無コーティング・DLC推奨。上限600は高速加工機使用時

ステンレス(SUS304)

40〜100

0.02〜0.05

切削熱を抑えるため切削油剤を多め

チタン合金(Ti-6Al-4V)

30〜60

0.02〜0.04

工具摩耗が速いため条件を抑えめに

鋳鉄(FC250など)

80〜200

0.04〜0.10

ドライ加工が基本

材料ごとに加工性(被削性)が異なり、チタン合金やステンレスは切削抵抗が大きく工具寿命が短くなりやすい傾向があります。

メーカーが提供する工具カタログの推奨条件を起点に、実際の加工状態を見ながら微調整するのが現場での基本的なアプローチです。

切削条件の誤りで発生するコスト損失

切削条件の設定ミスは、工具費と加工時間の両方に直接的な損失をもたらします。

過大な切削速度は工具の摩耗を加速させ、適切条件に対して工具寿命が1/3以下に短縮するケースも報告されています。

超硬エンドミル(直径10mm)の単価は3,000〜8,000円程度が相場で、交換頻度が3倍になれば工具費も3倍に膨らみます。

一方、条件が低すぎると加工時間が伸び、設備の稼働効率が下がります。

1時間あたりの機械稼働コストが3,000〜10,000円(設備規模による)と仮定すると、1台の加工時間が1時間無駄になるだけで数千円単位の損失が出る計算です。

切削条件の見直しは工具費削減と生産性向上を同時に達成できる、コストパフォーマンスの高い改善施策のひとつです。

 

出典:切削条件と工具コストの関係|サンドビック コロマント

https://www.sandvik.coromant.com/ja-jp/

ミーリング加工のトラブルと対策

ミーリング加工のトラブルとは、切削条件・工具状態・段取り精度の不備によって発生する加工不良の総称です。

現場で特に多いのは「ビビり(加工振動)」「工具摩耗・折損」「面粗度不良・寸法バラツキ」の3つで、いずれも原因の特定と条件の見直しで対処できます。

ビビり(加工振動)の原因と抑制対策

ビビり(加工振動)は、工具・ワーク・機械の固有振動数が切削力の周期と共鳴することで発生します。

放置すると加工面の品質が著しく低下し、工具の折損や機械への損傷にもつながるため、早期に原因を特定して対策を取ることが大切です。

以下のフローで原因を順に確認することで、効率よく対策を絞り込めます。

  1. 工具の突き出し長を確認する:突き出し長が工具直径の4倍を超えている場合は短くする。できない場合は剛性の高いシャンク(HSK・焼きばめ)に変更する
  2. 切削条件を調整する:回転数を10〜15%変えるとビビりが収まることがある(共鳴点を外す)
  3. ホルダの剛性を確認する:コレットチャックのチャッキング不足や工具径に合っていないホルダが原因のことがある
  4. 工作機械・治具の剛性を確認する:ワークの固定が不十分な場合はクランプを追加するか、バイスのくわえ代を増やす

抑制の観点から、ビビりが慢性的に発生する場合は工具経路のピックフィードや切り込み量を見直すと根本的な改善につながります。

 

出典:切削振動の原因と対策|ミスミグループ技術コラム

https://jp.misumi-ec.com/

工具摩耗・工具折損の原因と寿命改善

工具摩耗を正確に把握し、交換タイミングを管理することが工具費削減と加工品質の安定化に直結します。

摩耗のパターンは主に3種類です。

「逃げ面摩耗」は最も一般的な摩耗で、切削速度が高いほど進行が速くなります。

「チッピング(刃先の欠け)」は断続切削の衝撃や過大な切り込みで発生しやすく、一度チッピングが起きると折損につながるケースも珍しくありません。

「折損」は剛性不足・ビビり・過大な切削条件が重なった場合に発生するため、前兆であるチッピングの段階で対処することが大切です。

工具寿命の管理基準として、逃げ面摩耗量 VBmax = 0.3mm を交換目安にすることが一般的です。

定期的に工具を観察し、摩耗が基準を超える前に交換することで加工精度を安定させられます。

工具寿命を延ばすための実務対策:

  • 切削速度を10〜20%下げる:寿命が2倍前後に伸びることがある
  • 切削油剤の供給方式を見直す:外部給油からクーラントスルーに変更すると工具温度が下がり摩耗が緩和される
  • コーティングを最適化する:素材に合ったコーティング(TiAlN・AlCrN・DLC等)に変更する

 

出典:工具摩耗の種類と対処法|住友電工ハードメタル

https://www.sumitool.com/

面粗度不良・寸法精度のバラツキ対策

加工面の粗さや寸法バラツキは、切削条件・工具摩耗・段取り精度の3つが複合的に絡んで発生することが多いです。

面粗度(Ra)の悪化は、工具摩耗の進行・送り量の過大・ビビりの複合が主な原因です。

仕上げ面を改善するには、工具摩耗の交換管理を徹底しつつ、仕上げ工程の送り速度を落としてシングルパスで仕上げる手法が有効です。

寸法精度のバラツキは、段取り(段取り精度)が根本原因のことが多いです。

ワークのクランプ力・バイスの精度・工具の振れ精度が毎回安定していないと、加工のたびに寸法がブレます。

品質の安定には仕上げ加工用と荒加工用の工具を分けて管理し、段取り時に毎回工具の振れをダイヤルゲージで確認する習慣が効果的です。

精度(μm単位)が求められる工程では、加工後に三次元測定機(CMM)や空気マイクロメータで品質を定期確認することで、工程のバランス(ばらつき管理)を維持できます。

 

出典:加工精度管理の基礎|ミツトヨ技術資料

https://www.mitutoyo.co.jp/

中古ミーリング機・マシニングセンタの購入・導入ガイド

中古ミーリング機・マシニングセンタとは、前ユーザーが使用した工作機械を整備・再販したもので、新品の1/3〜1/5程度の価格で導入できる場合があります。

中古機を選ぶ際の実務的な確認ポイントと、新品・中古のコスト比較を把握しておくと判断がスムーズです。

中古ミーリング機を選ぶ際の確認ポイント

中古機の購入で後悔しないために、現状確認と整備履歴の把握が欠かせません。

優先度の高い確認ポイントは以下の4点です。

  1. 主軸(スピンドル)精度:主軸の振れ(ランアウト)を測定する。一般的なマシニングセンタで5μm以内が目安。摩耗が激しいと振れが大きくなり、加工精度と工具寿命の両方に悪影響が出る
  2. スピンドル摩耗・軸受の状態:高速回転時の異音・振動がないか確認する。試加工できる場合は実際に切削させて振動レベルをチェックする
  3. NC制御装置の年式・メーカーサポート状況:制御装置のメーカー・機種によっては部品供給が終了している場合があり、故障時の修理が困難になるリスクがある。購入前にメーカーのサポート状況を確認しておくと安心
  4. 整備履歴と使用時間(スピンドル稼働時間):整備記録が残っているか、主軸の稼働時間が過剰でないかを確認する。スピンドルの稼働時間は機種・使用状況・メンテナンス頻度で許容値が大きく異なるため、具体的な目安は販売業者または機械メーカーへ確認するのが確実

新品導入 vs 中古購入のコスト比較

初期投資を抑えたい場合、中古機は新品の1/3〜1/5程度の価格で同等の加工能力を得られるケースがあります。

以下は機種別の価格帯目安です(2026年5月時点・状態や年式によって大幅に変動します)。

機種

新品価格帯(目安)

中古価格帯(目安)

 

汎用フライス盤(国産)

200万〜600万円

30万〜200万円

NCフライス盤(3軸)

800万〜2,000万円

100万〜500万円

マシニングセンタ(縦型・3軸)

1,500万〜4,000万円

200万〜1,200万円

マシニングセンタ(5軸)

4,000万〜1億円以上

500万〜3,000万円

※メーカー・仕様・オプション等により価格は大きく変わります。最新の市場価格は販売業者にご確認ください。

中古機のROI(投資回収期間)は初期投資が低い分、早期に回収できるのが利点です。

ただし、整備コスト・消耗部品の交換費用・メンテナンス費用を加味した「実質の総コスト」で比較することが大切です。

加工精度の要求水準が高い用途では、整備済みの認定中古機(リファービッシュ品)を選ぶことでリスクを下げられます。

 

出典:中古工作機械の価格動向|日本工作機械工業会

https://www.jmtba.or.jp/

シェアリングファクトリーの中古工作機械サービスについて

シェアリングファクトリーは、ミーリング機・マシニングセンタをはじめとするいろいろな工作機械の売買・レンタルを手がけている中古工作機械の専門業者です。

買取から販売まで一貫して対応しており、全国各地の製造業者の機械導入・売却をサポートしてきた実績があります。

使わなくなった工作機械の売却や、設備投資コストを抑えた機械の導入を検討している方に、幅広い選択肢を提供しています。

工作機械の売買・導入でお困りの際は、シェアリングファクトリーへお気軽にお問い合わせください。

 

ミーリング加工についてよくある質問

Q1. ミーリング加工とフライス加工は同じものですか?

基本的には同じ加工方法を指します。「ミーリング(Milling)」は英語由来、「フライス加工」はドイツ語由来の呼び方で、どちらも「回転する工具でワークを切削する加工」を意味します。

国内の現場では「フライス加工」が長く使われてきましたが、近年はCNCやマシニングセンタの普及に伴い「ミーリング」という表現も一般的になっています。

文脈によって使い分けられることがありますが、技術的な意味に差はありません。

Q2. ミーリング加工と旋削加工(旋盤加工)の違いは何ですか?

最大の違いは「何が回転するか」です。ミーリング加工は工具(フライス・エンドミル)が回転し、ワークを送って削ります。旋削加工はワーク自体が回転し、固定した工具で切削します。

ミーリングは平面・溝・曲面など多様な形状に対応できる反面、旋削は円筒・テーパ・端面など回転対称形状の加工が得意です。部品形状によって最適な加工方法が変わります。

Q3. ミーリング加工に使うマシニングセンタの選び方は?

選定の基本軸は「加工ワークのサイズ」「要求精度」「生産量」の3点です。

主軸テーパサイズ(番手)も重要な確認ポイントで、軽切削・小型ワークには30番、汎用用途には40番、重切削・大型ワークには50番が一般的な目安です。

自動工具交換装置(ATC)の工具本数や制御軸数も、加工内容に合わせて確認してください。

Q4. エンドミルの切削条件(回転数・送り速度)の計算はどうすればよいですか?

基本の計算式は2つです。回転数(n)= (1000 × 切削速度Vc) / (π × 工具直径D)、送り速度(Vf)= 1刃あたりの送り量fz × 刃数z × 回転数nで求められます。

切削速度の目安は工具メーカーのカタログに素材別で記載されています。計算した初期値から加工状態(音・振動・切りくずの形状)を確認しながら条件を微調整するのが実務的なアプローチです。

Q5. 中古のミーリング機・マシニングセンタを購入する際の注意点は?

特に注意したいのが主軸(スピンドル)の精度と摩耗状態です。振れが大きい主軸は加工精度の低下と工具寿命の短縮を引き起こします。

購入前に主軸の振れをダイヤルゲージで実測するか、試加工による確認ができる業者を選ぶのが安心です。NC制御装置のメーカーサポート状況も確認しておきましょう。

整備履歴が明確で、整備済み品として保証がついた機械を選ぶことでリスクを大きく下げられます。

まとめ

この記事では、ミーリング加工の基礎から実務で役立つ情報まで解説しました。

  • ミーリング加工(フライス加工)は工具が回転してワークを削る加工方法で、旋削加工とは工具とワークの動きが逆
  • 加工の種類は「正面フライス・平面フライス」「側面・溝加工」「エンドミル加工」が主な分類
  • 工具選びは素材・加工形状・要求精度の3軸で判断し、ホルダの振れ精度も合わせて管理する
  • 切削条件は「n = (1000×Vc) / (π×D)」「Vf = fz×z×n」の計算式をベースに、素材別の目安値から調整する
  • ビビり・工具摩耗・寸法バラツキは早期発見と条件の見直しで対処できる
  • 中古機の購入では主軸精度・制御装置の年式・整備履歴の確認が後悔しない選定の鍵

工作機械の売買・レンタルをご検討の方は、お気軽にご相談ください。