CNC旋盤のメーカー選びで、「国産と海外どちらが自社の加工に合うのか」「何を基準に比較すればよいのか」と悩んでいませんか。
CNC旋盤を扱うメーカーは国内外に数多く存在し、得意分野や価格帯も各社でさまざまです。
本記事では国産8社・海外3社のCNC旋盤メーカーを比較表と個社紹介で整理し、国産と海外の違いや用途別の選び方、中古機を含めた導入のポイントまで解説します。
読み終える頃には、自社の加工内容に合うメーカーを見極める判断軸が身についているはずです。
CNC旋盤とは——メーカー選びの前に押さえる基礎
CNC旋盤メーカーを比較する前に、CNC旋盤という工作機械の基本を簡単に押さえておきましょう。
より詳しい種類やメリット・デメリット、価格相場は「CNC旋盤とは?NC旋盤との違いや種類・メリット・選び方をわかりやすく解説」で解説しています。
旋盤加工そのものの基礎を知りたい方は「旋盤加工とは?加工の種類・手順・メリットをわかりやすく解説」もあわせてご覧ください。
CNC旋盤の基本構造とNC旋盤との関係
JIS B 0105:2012では、数値制御工作機械を「工具と工作物との相対運動を,位置,速度などの数値情報によって制御し,加工に関わる一連の動作をプログラムした指令によって実行する工作機械」と定義しています。
CNCはNC制御にコンピュータを組み込んだ方式で、NCの一形態です。現在市販されているNC旋盤は実質的にすべてCNC旋盤にあたります。
出典:JIS B 0105:2012「工作機械―名称に関する用語」
CNC旋盤の国内主要メーカー一覧——8社を比較
CNC旋盤の導入を検討する際にまず知っておきたいのが、国内主要メーカー8社の特徴です。各社公式サイトの会社概要をもとに、本社所在地・設立年・主力製品を整理しました。
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メーカー |
本社 |
設立/創業 |
主力製品 |
|---|---|---|---|
|
ヤマザキマザック |
愛知県丹羽郡大口町 |
創業1919年 |
ハイブリッド複合加工機・CNC旋盤・マシニングセンタ等 |
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オークマ |
愛知県丹羽郡大口町 |
創業1898年/設立1918年 |
NC旋盤・複合加工機・マシニングセンタ・研削盤等 |
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株式会社ツガミ |
東京都中央区 |
設立1937年 |
CNC精密自動旋盤・ターニングセンタ・精密研削盤等 |
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シチズンマシナリー |
長野県北佐久郡御代田町 |
1930年 |
CNC自動旋盤(Cincom/Miyanoブランド) |
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中村留精密工業 |
石川県白山市 |
設立1960年 |
複合精密CNC旋盤・超複合加工機等 |
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高松機械工業 |
石川県白山市 |
設立1961年 |
CNC旋盤の製造・販売・サービス |
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株式会社TAKISAWA |
岡山市北区 |
創業1922年 |
CNC旋盤・普通旋盤・マシニングセンタ等 |
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村田機械 |
京都市伏見区 |
創業1935年 |
ターニングセンタ(Muratecブランド)等 |
総合工作機械メーカー2社——ヤマザキマザック・オークマ
ヤマザキマザックとオークマは、いずれも愛知県大口町に本社を置く総合工作機械メーカーです。
ヤマザキマザックは1919年創業で、ハイブリッド複合加工機やCNC旋盤、マシニングセンタなど幅広いシリーズを展開しています。
オークマは1898年に創業し、1918年に設立された老舗で、NC旋盤や複合加工機、研削盤まで手がける総合メーカーです。
CNC自動旋盤(スイス型)専業メーカー2社——ツガミ・シチズンマシナリー
ツガミとシチズンマシナリーは、スイス型CNC自動旋盤を専業とするメーカーです。
スイス型自動旋盤はガイドブッシュで材料バーを支持しながら主軸が軸方向に移動する構造で、細長い小径ワークの高精度量産に向いています。
ツガミは1937年設立で東京都中央区、シチズンマシナリーは長野県御代田町が拠点で、Cincom・Miyanoブランドを展開する点が特徴です。
精密CNC旋盤・複合加工機メーカー4社——中村留精密工業・高松機械工業・TAKISAWA・村田機械
精密CNC旋盤や複合加工機に強みを持つメーカーとして、中村留精密工業・高松機械工業・TAKISAWA・村田機械の4社が挙げられます。
中村留精密工業(石川県白山市・1960年設立)は複合精密CNC旋盤、高松機械工業(同・1961年設立)はCNC旋盤の製造販売が主力です。
TAKISAWA(岡山市・現ニデックグループ)とMuratecブランドの村田機械(京都市)も複合加工機分野で知られています。
出典:中村留精密工業公式サイト「会社概要」/高松機械工業公式サイト「会社概要」
出典:ニデック公式サイト「株式会社TAKISAWA|グループ会社」/村田機械公式サイト「会社概要」
国産メーカーと海外メーカーの違い
CNC旋盤メーカーは国内だけでなく海外にも数多く存在します。ここでは海外の主要メーカー3社を紹介したうえで、国産と海外を比較する際に押さえておきたい視点を整理しました。
海外の主要CNC旋盤メーカー3社——HAAS・DN Solutions・DMG森精機
海外の主要CNC旋盤メーカーには、HAAS・DN Solutions・DMG森精機の3社が挙げられます。
HAASは1983年設立の米国メーカーで、CNC旋盤などを製造しています。DN Solutionsは1976年に韓国・大宇重工業の工作機械事業として始まり、2022年に現社名へ改称しました。
DMG森精機はドイツのDMGと森精機が統合した日独企業で、CNC旋盤や複合加工機を手がけています。
国産メーカーと海外メーカーを比較する視点——サポート体制・部品供給・技術的信頼性
国産メーカーと海外メーカーのどちらが優れているかを一概に決めることはできません。
一般的な検討観点として、国産メーカーは国内にサービス拠点を持つケースが多く、部品供給やメンテナンス対応のスピードが評価されやすい点が特徴です。
一方、海外メーカーは特定の用途やコストパフォーマンス、納期面で選ばれることもあります。自社の加工内容やアフターサポート体制への要望に応じて比較検討しましょう。
出典:DN Solutions公式サイト「Company History」
出典:DMG森精機公式サイト
用途・加工内容から選ぶCNC旋盤メーカー——用途×メーカーのマトリクス
CNC旋盤メーカーの選定は、社数の多さだけでなく「どんな加工に使うか」という用途軸で考える視点が欠かせません。
旋削とミーリングを1台で行う複合加工については「ターニングセンタとは?NC旋盤・マシニングセンタとの違いやメリット・デメリットを解説」もあわせてご覧ください。
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用途 |
主なメーカー |
選定理由 |
|---|---|---|
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量産・自動化ライン |
ヤマザキマザック・オークマ |
幅広い製品ラインとCNC装置の自社一貫開発体制 |
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小径・精密部品(医療・電子部品・時計) |
ツガミ・シチズンマシナリー |
スイス型自動旋盤による極細ワークの高精度量産 |
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複合加工・多工程集約 |
中村留精密工業・DMG森精機 |
旋削とミーリングを1台で完結させる複合精密CNC旋盤 |
量産・自動化ラインに適したメーカー
自動車部品などの量産・自動化ラインでは、幅広い製品ラインとCNC装置の一貫開発体制が評価されるヤマザキマザック・オークマが代表的な選択肢です。
両社とも総合工作機械メーカーとして、CNC旋盤から複合加工機まで自社で開発・製造しており、段取り替えの効率化や長時間の安定稼働を重視する量産現場に向いています。
小径・精密部品加工に適したメーカー——スイス型自動旋盤
医療機器の部品や時計部品など、直径の小さいワークを高精度で量産したい場合は、スイス型自動旋盤を専業とするツガミ・シチズンマシナリーが適しています。
ガイドブッシュで材料バーを支持しながら主軸が軸方向に移動する構造により、細長い小径ワークでも高い精度を保ちながら量産できる点が強みです。
複合加工・多工程集約に適したメーカー
旋削とミーリングなど複数の工程を1台で完結させたい現場に向くのは、複合精密CNC旋盤を展開する中村留精密工業や、CNC旋盤からターニングセンタまで幅広く手がけるDMG森精機です。
ワンチャッキングで多工程を集約すれば、段取り替えの回数を減らし、加工リードタイムの短縮にもつながります。
CNC旋盤メーカーの選び方——スペック評価軸と中古機の視点
メーカーを選ぶ際は、新品導入と中古導入で確認すべきポイントが異なります。
新品導入時に確認すべき評価軸——主軸・剛性・CNC装置・アフターサービス拠点
新品のCNC旋盤を選ぶ際は、主軸の性能・機械剛性・CNC装置の使いやすさ・アフターサービス拠点の4点を評価軸にするのが一般的です。
加工内容に対して主軸やCNC装置のスペックが過不足なく合っているかを確認し、あわせて導入後の保守・修理を依頼できる拠点が近くにあるかどうかもメーカー選びの見極めどころになります。
中古CNC旋盤でメーカーを選ぶ視点——流通量・部品供給継続性・整備履歴
中古CNC旋盤を選ぶ際は、流通量の多いメーカーの機体を選ぶと調達や部品確保がしやすくなります。
流通量が少ないメーカーや古い制御装置を搭載した機体は、故障時に補修部品が廃番になっているリスクがあるため、整備履歴や部品供給の継続状況を購入前に必ず確認しましょう。
シェアリングファクトリーの工作機械売買サービスについて
シェアリングファクトリーは、工作機械の売買・買取・仲介を専門とするサービスを提供しています。
CNC旋盤をはじめマシニングセンタ・複合加工機など幅広い工作機械を取り扱い、国内主要メーカーの中古機を中心に在庫が豊富です。
設備投資の予算を抑えながら機械を確保したい企業や、使用しなくなった工作機械の売却先を探している企業に向けて、専門スタッフが状態確認・価格査定・商談から引き渡しまでをサポートします。
工作機械の売買・導入でお困りの際は、シェアリングファクトリーへお気軽にお問い合わせください。
CNC旋盤メーカーについてよくある質問
Q1. CNC旋盤の大手メーカーはどこですか?
A. CNC旋盤を含む工作機械分野では、ヤマザキマザック・オークマ・DMG森精機などが代表的な総合工作機械メーカーとして知られています。
いずれもCNC旋盤に加えてマシニングセンタや複合加工機まで幅広く手がけていますが、業界内の順位や世界シェアは年ごとに変動するため、本記事で扱うのは各社の特徴の比較です。
Q2. 日本国内のCNC旋盤メーカーにはどんな会社がありますか?
A. 国内で代表的なCNC旋盤メーカーは、ヤマザキマザック・オークマ・ツガミ・シチズンマシナリー・中村留精密工業・高松機械工業・TAKISAWA・村田機械の8社です。
総合工作機械メーカーからスイス型自動旋盤の専業メーカーまで、得意分野はそれぞれ異なります。
Q3. CNC旋盤とNC旋盤の違いは何ですか?
A. CNCはNCの一形態であり、現在市販されているNC旋盤は実質的にすべてCNC旋盤です。
業界では「NC旋盤」という呼び方が実質CNC旋盤を指して使われることも多く、厳密に対立する概念として区別する必要はありません。
Q4. 小型・精密なCNC旋盤に強いメーカーはどこですか?
A. 医療機器の部品や時計部品など、直径の小さいワークを高精度で加工したい場合は、スイス型自動旋盤を専業とするツガミ・シチズンマシナリーが代表的な選択肢です。
ガイドブッシュで材料バーを支持しながら主軸が移動する構造のため、細長い小径ワークの量産にも適した設計です。
Q5. 海外製のCNC旋盤と国産の違いは何ですか?
A. HAAS・DN Solutions・DMG森精機など海外メーカーも多く存在しますが、品質や性能の優劣を一概に断定することはできません。
国産メーカーは国内のサービス拠点や部品供給のスピードで選ばれる傾向があり、海外メーカーは用途やコストパフォーマンス、納期面で検討されることもあります。
まとめ:自社の加工内容に合うCNC旋盤メーカーを選ぼう
CNC旋盤メーカー選びの本質は、社数の多さではなく自社の加工内容に合った特徴を見極めることです。
国内8社・海外3社はそれぞれ総合型・スイス型専業・複合加工型などで強みが異なり、用途に合わせた選定と、新品なら評価軸、中古なら流通量や部品供給継続性の確認が欠かせません。
工作機械の売買・レンタルをご検討の方は、お気軽にご相談ください。
