プロクソンの旋盤で金属が削れるのか、どの機種を選べばよいのか迷っていませんか。取扱説明書で金属の切削が用途に明記されているのは、金工旋盤のマイクロ・レース PD250です。
木工用と金工用の仕分け、国内機種の比較、できることと足りるかの判断軸を順に解説します。
プロクソンの旋盤は「木工用」と「金工用」の2系統に分かれる
プロクソンの旋盤は、国内の販売元サイトでの用途の書き方が2系統です。先に削りたい材料を決めると、機種の絞り込みが早くなります。
加工したい材料で系統を選ぶ
ミニウッドレースとウッドレース DXは、公式の用途欄が「木工旋盤」です。マイクロ・レース PD250は、取扱説明書の用途に「鉄、非鉄金属、木材、樹脂等の切削」と書かれています。
金属を削りたい場合は、用途に金属が明記されたPD250から検討します。
木材を削りたい場合は、木工旋盤の2機種が候補です。
国内の4機種はどう並ぶか
国内の製品一覧にあるプロクソンの旋盤は、次の4機種です。
木工旋盤はミニウッドレース(No.28140)とウッドレース DX(No.27020)、金工旋盤はマイクロ・レース PD250(No.24002)とマイクロ・レース DX PD400(No.24400)になります。
2026年10月時点で、廃番表記があるのはPD400だけです。
マイクロ・レース DX PD400は国内で廃番
マイクロ・レース DX PD400(No.24400)は、国内の販売元サイトで、ページ題名にも製品一覧にも【廃番】と表示されています。
一方、PROXXON本社の英語サイトでは、PD 400は現行の製品として掲載中です。
国内版の廃番時期、在庫、後継機について、公式サイトは案内していません。
出典:ミニウッドレース(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック「用途」)
出典:ウッドレース DX(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック「用途」)
出典:マイクロ・レース PD250 取扱い説明書(国内の販売元サイト)(p.4「用途」)
出典:デスクトップツール一覧(国内の販売元サイト)(No.27020・No.28140の掲載)
出典:ヘビーツール一覧(国内の販売元サイト)(No.24002・No.24400の掲載と【廃番】表記)
出典:マイクロ・レース DX PD400(国内の販売元サイト)(ページ題名)
出典:PD 400(PROXXON本社サイト・英語)(製品ページ)
プロクソン旋盤の機種別の特徴
国内で現行の3機種は、木工旋盤が2機種、金工旋盤が1機種です。
ミニウッドレース(No.28140):公式が「ウキ・ルアー制作に最適」とする小型卓上木工旋盤
出典:ミニウッドレース(国内の販売元サイト)(製品ページ)
加工できる材は、太さφ8〜30mm、長さ195mmまでの固い材木、バルサ材、桐材などです。
価格は27,720円(税込)と表示されています(2026年10月時点)。
ウッドレース DX(No.27020):コレットチャックが付属する木工旋盤
出典:ウッドレース DX(国内の販売元サイト)(製品ページ)
製品ページの見出しは、コレットチャック(棒材をくわえて固定する部品)が付属し、主軸貫通穴もあることを挙げています。
最大加工寸法は、丸材φ50mm、角材40×40mm、長さ220mmです。公式記載の数字で比べると、太さも長さもミニウッドレースより上限が大きくなっています。
価格は69,300円(税込)の表示です(2026年10月時点)。
マイクロ・レース PD250(No.24002):金属を切削できる金工小型旋盤
出典:マイクロ・レース PD250(国内の販売元サイト)(製品ページ)
公式の見出しは「省スペースで金工旋盤加工を実現」です。心間距離は250mm、センターの心高は取扱説明書で70mmとされています。ねじ切りに使える送りピッチは、0.5mmから1.5mmまでの8種類です。
価格は321,200円(税込)で表示されています(2026年10月時点)。
出典:デスクトップツール一覧(国内の販売元サイト)(ミニウッドレース・ウッドレース DXの現行掲載)
出典:マイクロ・レース PD250 取扱い説明書(国内の販売元サイト)(p.4「仕様」)
プロクソン旋盤の仕様比較表
国内の販売元サイトの記載で、現行3機種を並べた表です。公式に記載がない欄は「公式記載なし」です。
国内公式の数値で並べた比較表
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項目 |
ミニウッドレース(No.28140) |
ウッドレース DX(No.27020) |
マイクロ・レース PD250(No.24002) |
|---|---|---|---|
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用途(公式の表記) |
木工旋盤 |
木工旋盤 |
金工旋盤加工 |
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電源・消費電力 |
100V、50/60Hz・45W |
100V、50/60Hz・80W |
100V、50/60Hz・100W |
|
回転数(回/分) |
最高3,800(無段電子コントロール付き) |
600〜3,500(無段電子コントロール付き) |
460/1200/2100のベルト変速、無段電子コントロール付き(50〜100%) |
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加工できる材料 |
固い材木、バルサ材、桐材、発泡スチロールなど |
公式記載なし |
快削アルミ、快削鋼、快削黄銅、タフピッチ銅、ジュラコン樹脂(取扱説明書p.8の材料表) |
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加工寸法 |
太さφ8〜30mm、長さ195mm |
丸材φ50mm、角材40×40mm、長さ220mm(最大加工寸法) |
心間距離250mm、センターの心高70mm |
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重量 |
1.2kg |
2.2kg |
12kg |
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価格(税込・2026年10月時点) |
27,720円 |
69,300円 |
321,200円 |
価格や仕様は変更される場合があるため、購入前に各製品ページで最新の表示をご確認ください。
数値を見るときの注意
同じ型番でも、国内版とPROXXON本社の製品では仕様が異なる例があります。
ウッドレース DXと同じNo.27020の本社製品は「DB 250」で、国内版は100Vですが、本社版は230V、回転数は1,000〜5,000回/分です。
マイクロ・レース PD250も、国内版は100V、本社の PD 250/E は230Vです。
日本で使う場合は、国内の販売元サイトの数値を基準にしてください。
出典:ミニウッドレース(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック)
出典:ウッドレース DX(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック「最大加工寸法」)
出典:マイクロ・レース PD250(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック)
出典:DB 250(PROXXON本社サイト・英語)(製品ページ)
出典:PD 250/E(PROXXON本社サイト・英語)(製品ページ)
プロクソン旋盤でできること・できないこと
木工旋盤と金工旋盤では、削れる材料の記載が大きく異なります。
木工旋盤でできること・できないこと
ミニウッドレースの公式ページには、「金属の切削作業はできません」と明記されています。加工できる材は、固い材木、バルサ材、桐材、発泡スチロールなどです。
ウッドレース DXの製品ページには、最大加工寸法の記載はあるものの、材料の記載はありません。
金工旋盤でできること・できないこと
マイクロ・レース PD250の取扱説明書は、アルミ、真鍮、鉄を削る場合に「材質は快削鋼を使用してください」と指示し、切削油の使用も求めています。
快削鋼でない場合に切りくずが長くなる危険も、取扱説明書の注意事項の一つです。適した材料は、表にある快削アルミ、快削鋼、快削黄銅、タフピッチ銅、ジュラコン樹脂です。
大型の電動工具で行う作業には使わないよう、注意書きもあります。
連続して使える時間には上限がある
製品ページに載っている定格使用時間は、ミニウッドレースが15分、ウッドレース DXとマイクロ・レース PD250が30分です。
PD250の取扱説明書は、定格使用時間以上の連続使用でモーター部と電子制御部が発熱し、故障の原因になると記しています。長時間使う場合は、定格使用時間でスイッチを切り、約15分たってから再開するよう指示しています。
出典:ミニウッドレース(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック「加工可能材料」「定格使用時間」)
出典:ウッドレース DX(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック「定格使用時間」)
出典:マイクロ・レース PD250 取扱い説明書(国内の販売元サイト)(p.2「安全上のご注意」、p.4「ご使用上の注意」、p.8「材料の選択」)
プロクソン旋盤の付属品とオプションの確認ポイント
木工旋盤はコレットチャックと専用ナイフ、金工旋盤は三爪チャックと専用バイトが付属品の中心です。
付属品で揃うもの
ミニウッドレースには、コレットチャック2種、専用ナイフ3種、ドリル1本が付きます。
ウッドレース DXの付属品は、コレットチャック6種(φ2.0〜10.0mm用)、専用ナイフ3種、ドライブセンター、防塵メガネです。
マイクロ・レース PD250の付属品は、三爪ユニバーサルチャック、逆爪セット、専用バイト5種、専用ドリルチャック、防塵メガネです。
オプションは製品ごとのページで確認する
マイクロ・レース PD250には、オプション専用のページがあります。
チャックなど追加の部品が適合するかどうかは、公式のオプションページで確認してください。チャックの種類を比べたい場合は、「旋盤チャックの種類と選び方|三爪・四爪・コレット・パワーの違いを現場目線で解説」も合わせてご覧ください。
出典:ミニウッドレース(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック「付属品」)
出典:ウッドレース DX(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック「付属品」)
出典:マイクロ・レース PD250(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック「付属品」)
出典:マイクロ・レース PD250 オプション(国内の販売元サイト)(オプション専用ページ)
マイクロ・レース PD250の取扱説明書にある安全上の注意
ここで紹介するのは、PD250の取扱説明書の記載です。
巻き込まれを防ぐ服装と手袋
取扱説明書は、だぶついた衣服や長い髪が駆動部に巻き付くおそれがあるとして、きちんとした服装での作業を求めています。
巻き込み事故の防止のため、手袋の着用は絶対にしないよう明記されています。作業中は、手や顔を刃物やチャック部分に近づけないでください。
加工物と機械を固定する・保護メガネを使う
取扱説明書の指示は、加工物をしっかり固定し、機械も作業台や机などに固定して作業することです。作業中は保護メガネを使用し、粉塵の多いところでは防塵マスクも併用するよう記されています。
改造しないほうがよい理由
取扱説明書には、本製品が該当する安全規格に適合しているため、改造は絶対に行わないよう記されています。
旋盤で起きやすい事故の型は、「旋盤事故の主な型と防ぎ方|巻き込まれ・切れ・飛来の対策を解説」も合わせてご覧ください。
出典:マイクロ・レース PD250 取扱い説明書(国内の販売元サイト)(p.2「安全上のご注意」の服装・手袋・保護メガネ・固定・改造、p.4「ご使用上の注意」の固定)
プロクソンの旋盤で足りるかを判断する4つの軸
卓上旋盤で足りるかは、材質、運転時間、寸法、設置の4つの条件で決まります。
判断軸1:削りたい材質
前述の取扱説明書の材料表に、削りたい材料があるかを確かめます。材料表に載っていない材料を日常的に削る予定なら、PD250の用途に合うかを見直してください。
判断軸2:加工数と連続運転の時間
止めずに回し続ける時間が、定格使用時間の範囲に収まるかを確認します。加工数が多く機械を休ませる時間を取れない作業は、定格使用時間を超えやすい条件です。
判断軸3:ワークの寸法と精度
ワーク(加工する材料)の長さと径が、各機種の公式の加工寸法や心間距離に収まるかを確認します。寸法の公差を詰めたい場合は、「精密旋盤とは?普通旋盤との精度差・種類・選び方を解説」も合わせてご覧ください。
判断軸4:電源と設置場所
国内の3機種は、電源が100V、50/60Hzです。設置先に100Vの電源と、機械を固定できる作業台があるかを確認します。
卓上旋盤で足りない場合は、中古旋盤も候補に入ります。価格相場と購入先は、「中古旋盤の選び方・価格相場・購入先を徹底解説【失敗しない7つのポイント】」も合わせてご覧ください。
出典:マイクロ・レース PD250 取扱い説明書(国内の販売元サイト)(p.8「材料の選択」)
出典:ミニウッドレース(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック「電源」)
中古工作機械の売買・導入に対応するシェアリングファクトリー
シェアリングファクトリーは、中古工作機械の売買に対応するサービスを提供しています。卓上旋盤では加工が収まらず、より大きな旋盤が必要になった場合にも、ご相談いただけます。
工作機械の売買・導入でお困りの際は、シェアリングファクトリーへお気軽にお問い合わせください。
プロクソン旋盤についてよくある質問
Q1. プロクソンの旋盤の保証期間は?
国内の現行3機種は、いずれも購入日から1年の保証期間です。
ミニウッドレース、ウッドレース DX、マイクロ・レース PD250の各製品ページに、「製品ご購入日より1年」と表示されています(2026年10月時点)。
Q2. プロクソンの旋盤の取扱説明書はどこで見られる?
取扱説明書は、国内の各製品ページから確認できます。
「取扱い説明書」のリンクの設置先は、ミニウッドレース、ウッドレース DX、マイクロ・レース PD250の各ページです。
Q3. プロクソンの旋盤の国内向け製品情報はどこで確認できる?
国内向けの製品情報は、キソパワーツール株式会社のホームページ(kiso-proxxon.co.jp)に掲載されています。
サイト上部の表示は、プロクソン電動工具に関するキソパワーツールのオフィシャルホームページです。
Q4. 本社サイトにあるFD 150/EやPD 400/CNC-readyは日本で買える?
国内の製品一覧には、FD 150/EもPD 400/CNC-readyも載っていません。
本社サイトに掲載されている製品でも、国内で取り扱われているとは限りません。国内での取扱いは、国内の販売元のキソパワーツールに問い合わせて確かめてください。
Q5. マイクロ・レース PD250でテーパー削りはできる?
PD250の仕様欄では、テーパー削り(円すい状に削る加工)のアタッチメントの移動量が前後45mm、角度が-45度〜+45度という記載です。
取扱説明書の部品名称は「刃物台(テーパー削りアタッチメント付)」です。公式のオプションページには、テーパー削り用の品は載っていません。
出典:ミニウッドレース(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック「保障期間」「取扱い説明書」)
出典:ウッドレース DX(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック「保障期間」「取扱い説明書」)
出典:マイクロ・レース PD250(国内の販売元サイト)(製品仕様ブロック「保障期間」「取扱い説明書」「テーパー削りアタッチメント移動量」)
出典:マイクロ・レース PD250 取扱い説明書(国内の販売元サイト)(p.3 部品名称の一覧)
出典:マイクロ・レース PD250 オプション(国内の販売元サイト)(オプション専用ページ)
出典:キソパワーツール オフィシャルホームページ(国内の販売元サイト)(トップページ上部の表示)
まとめ:プロクソン旋盤は削る材料で木工用か金工用かを決めれば選べる
プロクソンの旋盤は木工用と金工用に分かれ、削りたい材料で選べます。取扱説明書で金属の切削が用途に明記されているのはマイクロ・レース PD250で、定格使用時間の上限と快削鋼の指定も記載されています。
マイクロ・レース DX PD400は国内では廃番です。削りたい材料と連続運転の長さを書き出し、各製品ページの仕様と照らし合わせてください。
足りない場合は、より大きな旋盤や中古機械も候補に入ります。
工作機械の売買・導入をご検討の方は、お気軽にご相談ください。
