本社

〒450-0002
名古屋市中村区名駅5-28-1
名駅イーストビル5F

東京営業所

〒108-0023
東京都港区芝浦3-20-6
芝浦MYビル4F

お問い合わせ

フライス加工の基本がわからず、外注依頼や機械選びで迷っていませんか。この記事では、フライス加工の基本原理から種類・工具・工作機械の選び方、切削条件の計算式、素材別の注意点、外注依頼のポイントまで解説します。加工依頼・機械選定・現場対応のどの場面でも役立つ知識が身につきます。

フライス加工とは?旋盤加工との違いをわかりやすく解説

フライス加工とは?旋盤加工との違い

フライス加工とは、回転する切削工具(フライス・エンドミルなど)をワーク(被削材)に当てて削る切削加工の一種です。工具が回転しながらワークを削り取る点が最大の特徴で、平面・溝・穴など多様な形状を1台の工作機械で加工できます。

製造業の現場で扱う金属部品のほとんどは、何らかの工程でフライス加工を経ています。切削条件(回転数・送り速度・切り込み量)と工具選定の組み合わせによって、仕上げ精度も大きく変わります。

フライス加工と旋盤加工の違いを混同するケースは多いため、次の3つの見出しで整理していきましょう。

フライス加工の基本的な仕組みと原理

フライス加工は「工具が回転してワークを削る」切削加工です。主軸(スピンドル)に取り付けた工具が高速回転し、テーブルに固定されたワークに工具を当てて切削します。

工具は毎分数万回転で回転し、ミクロン単位(0.001mm以下)の精度で加工できるのがフライス加工の強みです。平面・側面・溝・段差の成形から複雑な3次元形状まで幅広く対応できます。

 

フライス加工と旋盤加工の違い

フライス加工と旋盤加工の最大の違いは「何が回転するか」にあります。

比較項目

フライス加工

旋盤加工(旋削)

 

回転するもの

工具(フライス・エンドミル)

ワーク(被削材)

工具の役割

回転しながら移動して削る

固定されたバイトでワークに当てる

代表機械

フライス盤・マシニングセンタ

旋盤・NC旋盤

得意な形状

平面・溝・段差・複雑形状

円筒・テーパ・内径(回転対称形状)

旋削は円筒形状の部品に向いており、フライス加工は直方体状の部品や複雑形状の成形に向いています。 実際の現場では両者を組み合わせることが多く、旋盤で外形を仕上げた後にフライス盤で溝を追加するといった工程が一般的です。

フライス加工とミーリング加工・マシニング加工の違い

「フライス加工」「ミーリング加工」「マシニング加工」は、実質的に同じ加工を指す場合がほとんどです。関係を整理すると、フライス加工は日本語の呼称で、ミーリング(milling)は英語の呼称です。どちらも「フライス工具を使った切削加工」を意味します。

マシニング加工(マシニングセンタ加工)は、CNC(コンピュータ数値制御)を搭載した工作機械で行うフライス加工の総称です。プログラムによる自動制御が加わるため、複雑形状の量産や多面加工に対応できます。

 

出典:三菱マテリアル|切削加工の基礎知識

https://www.mmc-carbide.com/jp/technical_information

フライス加工の種類|平面・溝・穴など6つの加工方法

フライス加工の種類|平面・溝・穴など6つの加工方法一覧

フライス加工の種類は大きく6つに分類できます。種類ごとに使う工具や固定方法が変わるため、特徴を把握しておくと図面の読み取りや外注依頼がスムーズになります。

平面加工・側面加工

平面加工はフライス加工の中で最も基本となる加工方法で、ワーク上面を削って平らな面を作ります。正面フライス(フェイスミル)を使ってワークの上面を削る方法が代表的で、広い平面を短時間で仕上げられます。

側面加工は、外周に刃があるエンドミルや側フライスを使って、ワークの側面を削る加工方法です。ブロック材の寸法出し(形状整形)や、他の加工と組み合わせて段差・溝を作る工程の前処理として使われます。

正面フライスは切りくず排出がよく加工効率が高い一方、外周加工(側面・段差)にはエンドミルが適しています。現場ではエンドミルが主役を担うケースがほとんどです。

段差加工・溝加工

段差加工は、ワークに凹凸のステップをつける加工方法です。部品の嵌合部・基準面の形成など実用的な形状を作る際に頻繁に使われます。

溝加工は、ワーク表面に溝を切削する加工方法です。キー溝・T溝・V溝が代表的で、溝の形状によってエンドミル・T溝カッター・角溝フライスを使い分けます。

ワーク固定が甘いとびびりが発生し表面粗さが悪化するため、段取りの精度が品質に直結する点に注意してください。

穴加工・3次元加工

ドリルが円形の穴を一方向に開ける専用工具なのに対し、エンドミルによる穴加工は径や形状を自由に変えられるのが強みです。

3次元加工(曲面加工)は、ボールエンドミルでワーク表面を曲線的に削る方法で、金型・航空部品など複雑形状に使われます。エンドミルの円弧補間で大径穴やねじ穴を仕上げる「ヘリカル加工」も応用例の一つです。

出典:ミスミ|フライス加工の種類と特徴

https://jp.misumi-ec.com/

フライス加工で使う工作機械の種類と選び方

フライス加工に使う工作機械とは、回転工具でワークを切削するための専用機械の総称です。大きく「汎用フライス盤」「NCフライス盤(CNCフライス盤)」「マシニングセンタ」「NC歯車加工機」の4種類に分けられます。

機械の種類によって自動化の度合い・価格帯・得意な加工が大きく異なります。導入コストと加工ニーズのバランスを見極めて選ぶ必要があります。

汎用フライス盤

汎用フライス盤は、作業者が手動でハンドルを操作して加工する工作機械です。NC制御はなく、職人の技量と経験がそのまま加工精度に反映されます。

導入コストの目安は本体約70万円、搬入費込みで約80万円です(なんとか重工チャンネル参照、機種・年式・状態により異なる)。

一例として、ベッド形立フライス盤のスペックはテーブル210×950mm、主軸回転数150〜2,000rpm、主軸テーパーNT40、機械重量1.1t程度です。単品・小ロットの試作や精密加工に向いており、プログラミング不要でその場で段取り変更できる柔軟性が強みといえます。

NCフライス盤・CNCフライス盤

NCフライス盤(数値制御フライス盤)は、プログラムに従って工具の移動・回転数・送り速度を自動制御する工作機械です。繰り返し精度が高く中ロット品の安定加工に向いています。価格帯はDIY用(約55,000円)から業務用(数百万円台)まで幅広いのも特徴です(2025年時点)。

マシニングセンタ

マシニングセンタ(MC)は、ATC(自動工具交換装置)を搭載したCNC工作機械です。複数の工具を自動交換しながらフライス加工・穴あけ・ボーリングを1台でこなせます。段取り替えの大幅削減が最大のメリットで、精密金型・航空宇宙部品など高精度分野で広く使われています。

立型・横型・門型・5軸など構造のバリエーションも豊富です。

NC歯車加工機

歯車(ギア)の加工には、専用の歯車フライスやホブカッターを使うNC歯車加工機が用いられます。汎用フライス盤でも歯切り加工は可能ですが、高精度・量産には専用機が必要です。歯車の精度クラス(JIS B 1702規格)に応じて機械と工具を選定します。

 

フライス加工で使う主な工具の種類と特徴

フライス加工で使う主な工具の種類と特徴

フライス加工の代表的な工具は「正面フライス」「エンドミル」「溝フライス・平フライス・側フライス」の3グループに大別できます。

正面フライス(フェイスミル)

正面フライス(フェイスミル)は、底面に多数のインサート(超硬チップ)を配した大径工具で、ワーク上面の平面加工に使います。直径Φ50〜250mm程度の製品が一般的で、1パスで広い面積を短時間で削れます。

インサート式のため刃先を個別に交換でき、消耗コストを抑えられるのが強みです。仕上げ精度はRa 1.6〜3.2μm程度が目安で、後工程の研磨が不要な場合も多くあります。カッターはアーバ(刃物保持具)を介して主軸に固定し、インサートのノーズRや切削角度で仕上げ面の品質が変わります。

エンドミル

エンドミルはフライス加工で最もよく使われる工具です。底面の刃(ボトム刃)と外周の刃(サイド刃)の両方で切削できるため、溝・側面・段差・穴・3次元加工まで幅広く対応できます。

「側面にも刃があってナイフのように削り取る」という点がドリルとの大きな違いです。ドリルは底面の刃だけで穴をまっすぐ開けますが、エンドミルは側面にも刃があるため横方向への移動で溝や段差を削れます。毎分数万回転で回転しながらミクロン単位の精度を出すことも可能です。

種類にはフラットエンドミル(平底・汎用)・ボールエンドミル(半球底・曲面用)・ラジアスエンドミル(コーナーR付き)があり、材質は超硬・ハイス・コーティング品(TiAlN等)から被削材に応じて選定します。

溝フライス・平フライス・側フライス

溝フライス・平フライス・側フライスは、特定の加工形状に特化した専用工具です。

工具名

主な用途

形状の特徴

 

溝フライス

幅一定の溝を切削

側面と底面に刃がある薄い円盤形状

平フライス(スラブミル)

平面の荒加工・大量切削

外周に多数の刃を持つ円筒形

側フライス

側面・段差の荒削り

外周と側面に刃がある厚めの円盤形状

エンドミルでも同様の加工はできますが、専用工具のほうが切削剛性が高く、大きな切り込みでの高能率加工や長尺の溝加工に向いています。ツーリング(工具保持システム)の精度も加工品質に影響するため、工具と保持具のセットで選定するのが基本です。

 

出典:OSG|エンドミルの種類と選び方

https://www.osg.co.jp/

エンドミルでも同様の加工はできますが、専用工具のほうが切削剛性が高く、大きな切り込みでの高能率加工や長尺の溝加工に向いています。ツーリング(工具保持システム)の精度も加工品質に影響するため、工具と保持具のセットで選定するのが基本です。

 

フライス加工の切削条件と安全・注意点

 

フライス加工の切削条件とは、切削速度・主軸回転数・送り速度を組み合わせた加工パラメータの総称です。「CNCではたった1秒で全てを失うことがある」——現場でこう語り伝えられるほど、設定ミスやワーク固定の甘さで機械が一瞬で破損するリスクがあります。

正しい切削条件の設定と安全管理が、加工品質とトラブル防止の両方を左右します。

基本的な切削条件の設定

フライス加工の主な切削条件は「切削速度(vc)」「主軸回転数(n)」「1刃あたりの送り(fz)」の3つです。各計算式を確認しましょう(業界標準の計算式、三菱マテリアル技術情報でも紹介)。

切削速度(vc)と主軸回転数(n)の計算式:

n(rpm)= vc(m/min)× 1000 ÷ (π × D(mm))

例:工具直径D=10mm、vc=80m/min(超硬エンドミル・SS400材) → n = 80×1000÷(3.14×10) ≒ 2,547rpm

テーブル送り速度(Vf)の計算式:

Vf(mm/min)= fz(mm/刃)× z(刃数)× n(rpm)

例:fz=0.03mm/刃、z=4刃、n=2,547rpm → Vf = 0.03×4×2,547 ≒ 306mm/min

実務ではバイスのクランプ順序と向きを工夫するだけで6面の平行・直角を出す段取り技術が品質の鍵を握ります。計算式だけでなく段取りの手順も体得することが効率向上につながります。

アップカット(上向き削り)とダウンカット(下向き削り)

アップカット(上向き削り)とダウンカット(下向き削り)は、工具の回転方向とテーブル送り方向の関係によって決まる切削方式です。

比較項目

アップカット

ダウンカット

 

工具回転とテーブル送りの関係

逆方向

同方向

切削力の向き

工具をワークから引き離す方向

ワークをテーブルに押し付ける方向

工具寿命

やや短め(こすり切り)

長め(食い込み切り)

バックラッシの影響

小さい

大きい(汎用機注意)

向いている場面

汎用フライス盤・ワーク固定弱め

NCフライス盤・マシニングセンタ

一般的にNC制御機ではダウンカットが主流で、仕上げ面品質と工具寿命の両方で有利です。汎用フライス盤ではバックラッシ(遊び)があるためアップカットが安全な場合が多く、機械の状態に応じた使い分けが求められます。

加工精度と表面粗さの目安

フライス加工の精度・表面粗さの一般的な目安は以下の通りです。

項目

汎用フライス盤

マシニングセンタ

 

加工精度(公差)

±0.05〜0.1mm

±0.01〜0.05mm

表面粗さ(Ra)

Ra 3.2〜12.5μm

Ra 1.6〜3.2μm

精密加工ではRa 0.4μm以下(▽▽▽以上の精密仕上げ相当)が求められる場合もあります。面粗さは刃数・ノーズR・切削速度・送り速度の組み合わせで決まります。

安全対策とよくある注意点

フライス加工で事故やトラブルが起きやすい原因は大きく3つあります。

  1. ワーク固定の不足

バイスやクランプが甘いとワークが吹き飛び、工具破損・機械破損・怪我の原因になります。固定前に必ずダイヤルテスターや基準ブロックで水平・直角を確認してください。

  1. プログラムミス(CNC機)

工具長補正や座標系の設定ミスは「激突事故」の直接原因です。初回実行時は送りオーバーライドを下げてドライランで動作経路を目視確認してください。

  1. 工具の装着不良

締め付けトルク不足やコレットの摩耗放置は、切削中に工具が脱落するリスクを生みます。工具突き出し量・ホルダの清潔さ・トルクを毎回確認する習慣をつけてください。

 

出典:三菱マテリアル|フライス加工切削条件計算

https://www.mmc-carbide.com/jp/technical_information/jp/technical/imidasmilling

素材別フライス加工の特性と難削材への対応

フライス加工の出来栄えは素材によって大きく変わります。同じ機械・工具・切削条件でも、加工する素材が変わると切削抵抗・発熱・工具寿命が変化するため、素材ごとの対応方針を知っておく必要があります。

代表的な素材を「一般材」と「難削材」の2グループに分けて解説します。

一般材(鉄鋼・アルミ・銅)

一般材は難削材に比べて切削しやすく、標準的な超硬エンドミルで対応できます(2026年4月時点の一般的な目安)。

素材

切削速度目安

特徴・注意点

 

鉄鋼(SS400・S45C)

vc 80〜120m/min(超硬コーティングエンドミル使用時)

最も汎用的。S45Cは硬度が上がるため速度を落とす

アルミ合金(A5052・A6061)

vc 200〜500m/min

高速切削が可能。溶着防止に専用工具・クーラント推奨

銅・銅合金(黄銅・りん青銅)

vc 100〜300m/min

切りくずが絡みやすい。排出処理を意識した段取りが必要

難削材(ステンレス・チタン・インコネル)

難削材は切削熱が高く工具摩耗が速いため、切削条件・工具選定を慎重に設定する必要があります(2026年4月時点の一般的な目安)。

素材

切削速度目安

特徴・注意点

 

ステンレス鋼(SUS304)

vc 50〜80m/min(超硬コーティングエンドミル使用時)

加工硬化しやすい。低速・高送りで素早く削り切る

チタン合金(Ti-6Al-4V)

vc 30〜50m/min(工具・加工条件により変動)

熱伝導率が低く刃先に熱集中。切削油の大量供給が必須

インコネル(Inconel 718)

vc 25〜40m/min(工具・加工条件により変動)

最高難度。TiAlN系コーティング工具の使用が前提

いずれも主軸剛性が高く(主軸テーパ40番以上)、切削油供給設備が整ったマシニングセンタでの加工が適しています。

 

出典:OSG|難削材の切削加工ポイント

https://www.osg.co.jp/

フライス加工を外注依頼するときのポイント

フライス加工の外注依頼で最も大切なのは、図面に公差・素材・仕上げ面の3点を正確に記載することです。この3点が曖昧なまま発注すると、手戻りや品質トラブルの原因になります。

外注か内製かの判断軸とともに、図面作成と依頼先選定のポイントを整理します。

図面の作成と公差・仕上げ指示の注意点

フライス加工の外注依頼では、図面に以下の情報を明記することがトラブル防止の基本です。

公差の指示は、寸法に対して「一般公差(JIS B 0405)」と「個別公差(±○○mm)」を使い分けます。一般公差は「普通公差・精級」などで指定し、特に精度が必要な部位だけ個別公差を設ける方法が実務上の定番です。

公差指定がないと加工業者が独自に判断してしまい、組み付け段階でトラブルになりかねません。

表面粗さ(仕上げ面)の指示は、▽記号(JIS旧規格)またはRa値(JIS新規格)で図面に記載します。

記号

旧JIS表記

Ra目安

用途例

 

仕上げなし

Ra 25μm相当

荒加工面

▽▽

並仕上げ

Ra 6.3μm相当

一般的な仕上げ

▽▽▽

上仕上げ

Ra 1.6μm相当

嵌合部・摺動面

▽▽▽▽

精密仕上げ

Ra 0.2μm相当

精密すり合わせ部

素材指定も欠かせません。SS400・S45C・SUS304など、JIS規格の材料記号で指定することで、業者との認識齟齬を防げます。

依頼先選定のポイントと中古機導入を検討するケース

外注依頼先の選定基準は、主に「加工内容・精度」「ロット数」「素材」の3軸で考えると整理しやすいです。

  • 単品・小ロット・複雑形状: マシニングセンタを保有する精密加工業者
  • 中量ロット・標準精度: 汎用フライス盤やNCフライス盤を持つ町工場
  • 難削材(ステンレス・チタン・インコネル): 素材専門の切削加工業者

納期・品質・コストのバランスを見極めるには相見積もりが基本です。最低3社に見積もり依頼し、加工設備と実績を確認してから発注先を決めることをおすすめします。

加工量が月50個以上に増えてきた場合や、同一形状の繰り返し加工が多くなった場合は、中古のNCフライス盤やマシニングセンタを自社導入する費用対効果が出始めます。中古機は新品の1/3〜1/5程度の価格で購入できるケースも多く、整備済み品を選べば稼働開始までのリードタイムも短縮可能です。

 

参考:日本機械工業連合会

https://www.jmf.or.jp/

工作機械の売買・導入ならシェアリングファクトリーへ

フライス加工機の導入を検討している方にとって、中古の汎用フライス盤・NCフライス盤・マシニングセンタは自社加工の選択肢を大きく広げます。シェアリングファクトリーでは、工作機械の売買・レンタル・買取を一括でサポートしており、整備済みの中古機を豊富にラインナップしています。

機械の選定から搬入・立ち上げ支援まで対応しているため、「初めて工作機械を導入したい」「既存設備の入れ替えを検討している」という方でも安心してご相談いただけます。

工作機械の売買・導入でお困りの際は、シェアリングファクトリーへお気軽にお問い合わせください。

フライス加工についてよくある質問

Q1. フライス加工と旋盤加工の違いは何ですか?

フライス加工は工具(フライス・エンドミル)が回転してワークを削る加工方法で、平面・溝・段差・複雑形状の成形が得意です。

旋盤加工はワーク自体が回転し、固定したバイト(切削工具)で円筒・テーパ・内径などの回転対称形状を削ります。「工具が回転する=フライス加工」「ワークが回転する=旋盤加工」と覚えると区別しやすいです。

Q2. フライス加工でできる加工の種類は何ですか?

フライス加工でできる主な加工の種類は以下の通りです。

  • 平面加工(上面・水平面の仕上げ)
  • 側面加工(側壁の成形)
  • 段差加工(凹凸・ステップの形成)
  • 溝加工(キー溝・T溝・V溝など)
  • 穴加工(エンドミルによるヘリカル加工など)
  • 3次元加工(ボールエンドミルによる曲面・複雑形状)

マシニングセンタを使えば、これらの加工を1台でまとめて行える多工程加工も可能です。

Q3. マシニングセンタとフライス盤の違いは何ですか?

最大の違いはATC(自動工具交換装置)の有無です。マシニングセンタはATCとCNC制御を搭載し、複数工具を自動交換しながら連続加工できます。

フライス盤はATCがなく工具交換は手動です。複合加工・量産にはマシニングセンタ、単品・シンプル形状にはフライス盤が適しています。

Q4. フライス加工の表面粗さの目安はいくらですか?

加工条件によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです(2026年4月時点)。

  • 荒加工:Ra 6.3〜12.5μm(Rz 25〜50μm相当)
  • 標準仕上げ:Ra 1.6〜3.2μm(Rz 6.3〜12.5μm相当)
  • 精密仕上げ:Ra 0.4〜0.8μm(Rz 1.6〜3.2μm相当)

切削速度・送り速度・工具のノーズR・工具の刃数が表面粗さに大きく影響します。図面に▽記号またはRa値で指示しておくと加工業者との認識齟齬を防げます。

Q5. フライス加工を外注依頼するときの注意点は何ですか?

フライス加工を外注依頼する際に特に重要な3点を挙げます。まず、図面に公差(一般公差・個別公差)を明記することです。

次に、素材をJIS記号(SS400・SUS304など)で正確に指定することです。3点目は、仕上げ面の指示をRa値または▽記号で行うことです。

これら3点が不明確なまま依頼すると手戻りが発生しやすく、納期遅れやコスト増加につながります。発注前に図面を見直す習慣をつけておくと安心です。

まとめ:フライス加工

この記事で解説したフライス加工のポイントをまとめます。

  • フライス加工の基本: 工具が回転してワークを削る切削加工。旋盤加工はワークが回転する点で異なる
  • 加工の種類: 平面・側面・段差・溝・穴・3次元加工の6種類が代表的
  • 工作機械の選び方: 汎用フライス盤(本体約70万円〜)→ NCフライス盤 → マシニングセンタの順に自動化・精度が上がる
  • 切削条件の設定: vc(切削速度)・n(主軸回転数)・fz(1刃送り)の3つを計算式に基づいて設定する
  • 素材別対応: 難削材(ステンレス・チタン・インコネル)は低速・大量クーラントが基本
  • 外注依頼の3点: 公差の明記・素材のJIS記号指定・仕上げ面の▽/Ra指示を図面に必ず入れる

工作機械の売買・レンタルをご検討の方は、お気軽にご相談ください。