「塑性加工」という言葉は知っていても、切削加工との違いや具体的な方法がわからない、という製造業の担当者や学習者は少なくありません。
この記事では、塑性加工の定義から加工方法の種類・メリット・デメリット・切削加工との選び方まで、実務に役立つ知識を一通りお伝えします。
鍛造・プレス・圧延など6種類の加工法の特徴や、加工温度による使い分けの基準も具体的に解説するので、ぜひ参考にしてください。
塑性加工とは何か?弾性変形との違いからわかりやすく解説
塑性加工(そせいかこう)とは、材料に力を加えることで形状を変化させ、力を取り除いた後もその形状が保たれる加工法の総称です。
金属などの素材が持つ「塑性変形」という性質を利用しており、切削加工のように材料を削り取る必要がありません。
製造業において広く使われている基盤的な加工技術で、自動車部品から日用品まで身近な製品の多くに応用されています。
塑性変形と弾性変形の違い
塑性変形と弾性変形の最大の違いは、「力を取り除いた後に形が戻るかどうか」です。
弾性変形(だんせいへんけい)は、ゴムを引っ張って離すと元の形に戻るような変形のことです。
一方、塑性変形は粘土を押した後のように、力を加えると形が変わり、そのままの形状が維持される変形を指します。
金属材料も弾性域と塑性域を持っています。
弾性域では外力を取り除くと元の寸法に戻りますが、一定の力(降伏応力)を超えると塑性域に入り、変形が残ります。
塑性加工は、この塑性域を意図的に利用して材料を目的の形状に変える技術です。
塑性加工の基本的なメカニズム
塑性加工では、金属の結晶組織が外力によってずれることで、永久変形が生じます。
素材に力を加えると、まず弾性変形が起こります。
さらに力を増やして降伏応力を超えると結晶格子がすべりを起こし、塑性変形が始まります。
過剰に力を加え続けると破断が生じるため、加工は適切な力の範囲内でコントロールすることが大切です。
金属加工の実務では、この「弾性域→塑性域→破断」の流れを「応力-ひずみ曲線」で把握し、加工条件の設計に役立てます。
素材ごとに降伏応力や延性が異なるため、材料選定と加工条件の設計が品質を大きく左右します。
出典:日本塑性加工学会「塑性加工の基礎」(https://www.jstp.jp/)
塑性加工の種類一覧|6つの加工方法と特徴
塑性加工の種類とは、鍛造・圧延・プレス・押し出し・引き抜き・転造の6つに大別される加工方法の分類です。
それぞれ使用する工具・適した材料・量産性が異なるため、目的に応じた選定が求められます。
主な加工方法は以下の通りです。
- 鍛造加工
- 圧延加工
- プレス加工
- 押し出し加工
- 引き抜き加工
- 転造加工
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
鍛造加工(たんぞうかこう)
鍛造加工とは、金型を用いてワークに強い圧縮力を加え、目的の形状に成形する加工法です。
自動車のクランクシャフト・コンロッド・ホイールなど、高強度が求められるエンジン部品に広く用いられています。
鍛造によって金属内部の結晶組織が緻密に整列するため、切削加工で作った部品より強度が高くなるのが大きな特長です。
加工温度によって「熱間鍛造」「冷間鍛造」「温間鍛造」に分かれており、部品の形状・材質・必要精度に応じて使い分けます。
熱間鍛造は大型の複雑形状に向き、冷間鍛造は精度と表面品質が求められる小型部品に向いています。
圧延加工(あつえんかこう)
圧延加工とは、回転する2本以上のロール間に材料を通して板材や棒材を連続的に成形する加工法です。
鉄鋼・アルミ・銅などの板材や形鋼を製造する際に使われています。
建設用鋼板・自動車用アルミ板の製造工程として、製造業の担当者にはなじみ深い加工法です。
一度に大量の板材を均一な厚みに加工できるため、量産性と材料歩留まりの高さが評価されています。
加工は高温状態で行う「熱間圧延」と室温で行う「冷間圧延」に分かれており、用途に応じた使い分けが一般的です。
熱間圧延は厚板・形鋼に、冷間圧延は薄板・高精度品に向いています。
プレス加工
プレス加工とは、金型をプレス機で板材に押しつけて、せん断・曲げ・絞り・打ち抜きなど多彩な成形を行う加工法です。
プレス成形品の約70%が自動車部品ともいわれており、ボディパネル・ドアパネル・ブラケット類など薄板を用いた大量生産に圧倒的な強みを持ちます。
金型さえ作れば1回のストロークで高精度な部品を繰り返し量産でき、加工コストを大幅に抑えられます。
実務上の注意点として、曲げ加工では材料の弾性回復(スプリングバック)が生じます。
たとえば90°の曲げを目標とする場合、金型側は目標角度より数度鋭角(オーバーベンド)に設計します。
スプリングバックを見越した補正を行うのが一般的です。
押し出し加工(押出加工)
押し出し加工とは、ダイス(型穴)に素材を強い圧力で押し込み、断面形状が均一な長尺品を成形する加工法です。
アルミサッシ・アルミフレーム・電車の内装材など、複雑な断面形状を持つアルミ製長尺部品の製造に広く使われています。
ダイスの形状を変えるだけでいろいろな断面形状を作れるため、設計の自由度が高いのが特長です。
押し出し加工には、材料をダイスと同じ方向に押し出す「直接押し出し」と逆方向に押し出す「間接押し出し」があります。
アルミ合金・銅・鉛・樹脂など幅広い素材に対応しており、建築・輸送機械・電気機器の分野で欠かせない加工法です。
引き抜き加工
引き抜き加工とは、ダイスに通した素材を引っ張って細径化・整形する加工法で、優れた寸法精度が得られます。
電線・ワイヤー・細径パイプ・スチールウールなど、細長い金属製品の製造に用いられます。
ダイスの穴を通すことで断面が均一に絞られ、表面粗さや寸法精度が向上するため、高精度な棒材・管材の製造に向いています。
素材を引っ張る際の断面減少率(引き抜き率)が大きすぎると割れが生じるため、複数回に分けて段階的に引き抜くことが多いです。
銅・アルミ・鉄など金属ごとに引き抜き条件が異なり、適切な潤滑剤の選定も品質を左右します。
転造加工
転造加工とは、専用の転造ダイスを材料に押し付けながら転がすことで、ねじや歯車の形状を成形する加工法です。
ボルト・スクリュー・ウォームギアなど、ねじ類の量産には切削よりも転造が一般的に使われます。
切削でねじを削り出す場合、金属繊維(メタルファイバー)が切断されます。
一方、転造では繊維が連続したまま成形されるため、引張強度・疲労強度が高くなります。
転造は一度に数本のダイスを使って高速量産できるため、加工時間が短く量産コストの低減に大きく貢献します。
精度・強度・量産性を同時に求める場合に有力な選択肢です。
加工温度による分類|冷間・温間・熱間の違いと使い分け
塑性加工の加工温度による分類とは、熱間加工・温間加工・冷間加工の3つに区分する方法です。
材料の種類・求める精度・生産量に応じて適切な温度帯を選ぶことが、品質とコストを両立するうえで欠かせません。
熱間加工(Hot Working)
熱間加工とは、材料の再結晶温度以上に加熱した状態で行う塑性加工です。
鉄系金属の熱間加工は一般的に900℃以上の温度域で行われ、熱間鍛造では1,100〜1,250℃程度が標準的です。
高温では金属が軟らかくなるため変形しやすく、大型で複雑な形状への成形が可能です。
一方で、高温環境では材料表面が酸化してスケール(酸化皮膜)が生じます。
寸法精度や表面品質が冷間加工より劣る点は知っておく必要があります。
熱間鍛造・熱間圧延など大型部品の一次成形に広く使われており、大きな加工量を一度に処理できるのが強みです。
冷間加工(Cold Working)
冷間加工とは、室温(または材料の再結晶温度以下)で行う塑性加工で、高い寸法精度と優れた表面品質が得られます。
加工中に「加工硬化」と呼ばれる現象が起こり、金属の強度と硬さが向上するのも特長のひとつです。
冷間鍛造では「ニアネットシェイプ加工」(ほぼ最終形状まで仕上げる加工)が可能で、二次加工が不要になりコスト削減につながります。
ただし、材料の変形抵抗が大きいため大きな成形力が必要となり、材料の割れや金型の摩耗が起きやすい点に注意が必要です。
小型の精密部品・ファスナー類・電気接点など、精度と強度を同時に求める製品に適しています。
温間加工(Warm Working)
温間加工とは、冷間加工と熱間加工の中間温度帯(鉄系では概ね300〜850℃)で行う加工で、両者のメリットを組み合わせた手法です。
冷間加工より変形抵抗が低いため成形しやすく、熱間加工より酸化が少ないため表面品質が保ちやすいのが特長です。
ステンレス・チタン・マグネシウムなど冷間加工が難しい難加工材の成形に特に有効です。
近年は自動車の軽量化需要に伴い、採用が広がっています。
加熱設備が必要になるため設備コストは冷間加工より高くなりますが、精度と加工性のバランスが求められる場面での実用性は高いです。
出典:日本鍛造協会「鍛造の基礎知識」(https://www.jfa-tanzo.jp/)
塑性加工のメリット・デメリット
塑性加工のメリットとは、材料歩留まりの高さ・量産コストの低さ・加工硬化による強度向上です。デメリットは金型の初期投資コストが高い点と対応形状の制約です。
設備投資の判断や加工方法の選定において、両面を把握したうえで評価してください。
塑性加工の主なメリット
塑性加工最大の強みは、材料を削り取らないため材料歩留まりが高い点です。
切削加工では材料を削り続けてチップとして捨てますが、塑性加工では材料のほとんどを製品形状に使えます。
削り代が発生しない分、材料コストを抑えられ、大量生産時のコスト優位性がさらに高まります。
加えて、鍛造や転造のような塑性加工では加工硬化によって製品の強度・疲労耐性が向上します。
プレス加工では金型によって高速で繰り返し成形できるため、1サイクルあたりの加工時間が短く、大量生産に向いています。
材料の無駄を減らしながら高強度の部品を量産できる点は、製造コストと品質を両立するうえで大きなメリットです。
塑性加工の主なデメリット
塑性加工最大のデメリットは、金型の初期投資コストが高い点です。
プレス加工や鍛造加工に使う金型は、数百万〜数千万円規模の投資が必要なケースも珍しくありません(2026年4月時点の参考値)。
小ロット生産や試作品には費用対効果が合わないため、量産規模の見通しが立ってから導入するのが現実的です。
また、硬くて脆い材料は加工が難しく、複雑な三次元形状の成形にも制約があります。
中古設備の活用で初期投資を抑える方法も選択肢のひとつです。
出典:日本塑性加工学会「塑性加工の基礎」(https://www.jstp.jp/)
塑性加工と切削加工の違い|どちらを選ぶべきか
塑性加工と切削加工の違いとは、材料を「変形させる」か「削る」かというアプローチの根本的な差異です。
どちらが自社の製造に合っているかを正しく判断するために、2つの違いを整理しておきましょう。
塑性加工と切削加工の基本的な違い
最も根本的な違いは、材料を「変形させる」か「削る」かという点です。
塑性加工は材料に力を加えて目的の形状に変形させる方法で、材料の体積はほぼ変わりません。
削り代が発生しないため、材料コストの無駄を最小限に抑えられるのが大きな利点です。
一方、切削加工(NC旋盤・マシニングセンタなど)は材料をバイトや刃物で削り取ることで形状を作り出します。
工具と被削材の接触面積が小さいため、複雑な三次元形状でも精密に仕上げられる強みがあります。
|
比較項目 |
塑性加工 |
切削加工
|
|---|---|---|
|
材料歩留まり |
高い(削り代なし) |
低い(削り代発生) |
|
寸法精度 |
中〜高(切削より低めの場合あり) |
高い |
|
量産性 |
高い |
中 |
|
金型・工具費 |
金型代が高い |
工具費は比較的低い |
|
対応形状 |
単純〜中程度の形状 |
複雑形状に強い |
|
材料強度 |
加工硬化で強度向上 |
変化なし |
塑性加工が向いているケース・切削加工が向いているケース
塑性加工が向いているのは、量産性と材料歩留まりを重視するケースです。
年間数万〜数十万個規模の量産部品や、加工硬化で強度向上が求められるクランクシャフト・ボルト・ギアなどに適しています。
一方、複雑形状・高精度・少量多品種が求められる場合は切削加工が向いています。
詳しくは「ターニングセンタとは?NC旋盤・マシニングセンタとの違いやメリット・デメリットを解説」の記事もあわせてご参照ください。
実務では荒加工を塑性加工、仕上げを切削加工で行う組み合わせも多く採用されています。
出典:日本塑性加工学会「塑性加工の基礎」(https://www.jstp.jp/)
塑性加工で作られる身近な製品と産業別用途
塑性加工で作られる身近な製品とは、アルミ飲料缶・金属コイン・電線・ボルト・自動車ボディパネルなど日常生活を支える多くの工業製品です。
身近な製品を通じて加工法とのつながりを知ることで、塑性加工への理解がより深まります。
自動車・輸送機械分野の用途
自動車産業は塑性加工の最大の需要産業のひとつで、車体から駆動部品まで広範囲で活用されています。
ボディパネル・フェンダー(プレス加工)、クランクシャフト・コンロッド(鍛造加工)、フレーム用鋼板(圧延)などが代表例です。
1台の自動車には数百〜数千点の塑性加工部品が使われています。
航空機・鉄道車両でもアルミ押し出し材の骨格部品や鍛造チタン部品など、高強度が求められる構造材に塑性加工が欠かせません。
日用品・電子機器への活用
塑性加工は製造業の現場だけでなく、家庭にある日用品・消費財にも幅広く使われています。
アルミ缶(飲料缶)はアルミ板を深絞り加工と縮みフランジ加工(DI加工)で成形した塑性加工品の代表例です。
金属製の硬貨(コイン)は圧延されたブランク板を打刻プレスで成形して作られています。
電線・LANケーブルの芯線は銅・アルミの引き抜き加工品で、冷蔵庫・洗濯機のドラム部品にもプレス加工が使われています。
めがねフレーム・カトラリー(フォーク・ナイフ)もプレス・曲げ加工の産物であり、生活のあらゆる場面に塑性加工技術が息づいています。
出典:日本アルミニウム協会「アルミニウムの加工」(https://www.aluminum.or.jp/)
塑性加工を行う機械・設備の種類
塑性加工を行う機械とは、プレス機・鍛造プレス・圧延機・押し出しプレス・ドローイングベンチ・転造盤など加工方法ごとの専用設備です。
それぞれの設備特性を把握しておくと、工場の設備計画や導入検討に役立ちます。
主な塑性加工機械の種類
主な塑性加工機械とは、メカプレス・油圧プレス・鍛造プレス・圧延機・押し出しプレス・ドローイングベンチ・転造盤の7種です。
メカプレスは汎用性が高くスピードに優れており、薄板の打ち抜き・曲げ加工で広く使われています。
油圧プレスは成形力の微調整が容易なため、複雑な絞り加工や高張力鋼板の成形に向いています。
鍛造プレスは数千トン級の加圧力を持つ機種もあり、大型の鍛造品を安定した品質で量産する現場に欠かせない設備です。
|
加工法 |
代表的な機械 |
主な用途
|
|---|---|---|
|
プレス加工 |
メカプレス・油圧プレス・サーボプレス |
板金・ボディパネル・ファスナー |
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鍛造加工 |
型打ち鍛造プレス・スクリュープレス・ハンマー |
エンジン部品・クランクシャフト |
|
圧延加工 |
熱間圧延機・冷間圧延機・クラスターミル |
鋼板・アルミ板・形鋼 |
|
押し出し加工 |
直接押し出しプレス・間接押し出しプレス |
アルミサッシ・形材 |
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引き抜き加工 |
ドローイングベンチ・ブロックドローイング機 |
細径管・ワイヤー・棒材 |
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転造加工 |
平ダイス転造盤・丸ダイス転造盤 |
ボルト・スクリュー・ウォームギア |
設備選定の際に押さえるポイント
設備を選ぶ際は「加工方法」「材質」「生産量」の3点を軸に検討することが大切です。
プレス機であれば、薄板の打ち抜き・曲げにはメカプレス、複雑な絞り加工や高張力鋼板の成形には油圧プレスやサーボプレスが向いています。
生産量が多い場合はサイクルタイムの短さ、少量多品種なら金型交換の容易さを優先するなど、生産計画に合わせた選定が必要です。
設備の導入コストは機種・トン数・年式によって大きく異なります。
新設備の購入価格は数百万〜数億円規模になることもあります(2026年4月時点の参考値。最新情報はメーカーにご確認ください)。
中古設備の活用は、初期コストを抑える現実的な選択肢のひとつです。
出典:一般社団法人日本鍛圧機械工業会(https://j-fma.or.jp/)
工作機械の売買・レンタルならシェアリングファクトリーへ
シェアリングファクトリーは、プレス機・鍛造プレス・旋盤・マシニングセンタなどの工作機械・産業機械の売買・レンタルを手がける専門会社です。
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塑性加工についてよくある質問
Q1. 塑性加工とはどのような加工法ですか?
塑性加工とは、金属などの材料に力を加えて永久変形させる加工法の総称です。鍛造・プレス・圧延・押し出し・引き抜き・転造の6種類が代表例です。
材料を削らないため歩留まりが高く、大量生産に向いています。自動車部品から日用品まで幅広い製品に使われている基盤的な加工技術です。
Q2. 塑性加工にはどんな方法(種類)がありますか?
代表的な塑性加工は6種類です。①鍛造(圧縮力で成形)、②圧延(ロール間で板材を成形)、③プレス加工(金型で板材を成形)、④押し出し加工(ダイスに押し込んで長尺品を成形)、⑤引き抜き加工(ダイスに通して細径化)、⑥転造(ダイスを転がしてねじ・歯車を成形)です。加工する材料・形状・生産量に応じて最適な方法を選定します。
Q3. 塑性加工のメリット・デメリットは何ですか?
メリットは、材料歩留まりの高さ・大量生産時のコスト優位性・加工硬化による強度向上の3点です。
デメリットは、金型の初期投資コストが数百万〜数千万円規模になること・複雑形状への対応が切削加工より限られること・加工できる材質に制約があることです。製品の量産規模と形状の複雑さを考慮して導入を検討してください。
Q4. 塑性加工で作られる身近な製品には何がありますか?
身近な製品としては、アルミ飲料缶・金属コイン・電線・ボルトナット・自動車ボディパネル・アルミサッシなどがあります。
アルミ缶は深絞り加工、コインは打刻プレス、電線は引き抜き加工、ボルトは転造加工で製造されています。1台の自動車だけでも数百〜数千点の塑性加工部品が使われており、日常生活のあらゆる場面に塑性加工品が存在しています。
Q5. 塑性加工と切削加工の違いは何ですか?
塑性加工は材料を「変形させる」加工法で、材料の体積がほぼ変わらず歩留まりが高い点が特長です。
切削加工は材料を「削る」加工法で、複雑な三次元形状や高い寸法精度を求める加工に強みがあります。
量産・材料コスト重視なら塑性加工、複雑形状・少量高精度なら切削加工が向いており、両者を組み合わせた製造工程も多く採用されています。
まとめ
- 塑性加工とは、塑性変形を利用した加工法の総称で、鍛造・圧延・プレス・押し出し・引き抜き・転造の6種類が代表的
- 加工温度は熱間・温間・冷間の3分類で、材料と精度に応じて使い分ける
- メリットは材料歩留まりの高さ・量産コストの低さ、デメリットは金型初期コストの高さ
- 量産重視なら塑性加工、複雑形状・高精度なら切削加工が目安
工作機械の売買・レンタルをご検討の方は、お気軽にご相談ください。
